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アルマ望遠鏡による金星観測データ、一部の再解析を終えて公開される

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【金星探査機「あかつき」の観測データをもとに作成された金星の画像(疑似カラー。Credit: PLANET-C Project Team)】

国立天文台は11月18日、日本も運営に参加しているチリの電波望遠鏡群「アルマ望遠鏡」による金星の観測データの一部における再解析が完了し、アルマ望遠鏡科学データアーカイブにて公開されたことを明らかにしました。

金星については2020年9月、大気中に20ppb(10億分の20)の割合で存在するホスフィン(リン化水素、PH3)が検出されたとする研究成果がカーディフ大学のJane Greaves氏らの研究グループによって発表されています。

関連:未知の化学反応? 生命が関与? 金星の大気からホスフィンを検出

地球におけるホスフィンは、人類の文明活動を除けば嫌気性微生物によって生物的に生成される物質です。木星や土星などのガス惑星では大気の奥深くの高温高圧な環境で生成されたとみられるホスフィンが検出されていますが、岩石質の惑星において非生物的な作用でホスフィンが生成される過程は知られておらず、金星大気中のホスフィンは未知の生成過程あるいは生命の存在を示す可能性があるとして注目されています。

Greaves氏らは2017年にハワイの「ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡(JCMT)」を使って金星を観測した際に、大気中にホスフィンが存在する兆候を発見。アルマ望遠鏡ではGreaves氏らの観測提案に基づいて2019年に金星を観測しており、Greaves氏らはこれらのデータを用いて先の研究成果をまとめています。>>続きはこちら

関連:金星の雲に存在するかもしれない生命のライフサイクル

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Image Credit: PLANET-C Project Team
Source: 国立天文台 / ESO
文/松村武宏

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