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活動的な中心から数万光年規模の影が伸びている銀河「IC 5063」

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【ハッブル宇宙望遠鏡が観測した銀河「IC 5063」(Credit: NASA, ESA, and W.P. Maksym (CfA))】

こちらは南天の「インディアン座」の方向およそ1億5600万光年先にある銀河「IC 5063」です。IC 5063は比較的小さな領域から強い電磁波を放つ活動銀河核を持った「セイファート2型」に分類されていて、幅3万6000光年ほどの範囲を捉えた画像の中心付近には明るく輝く銀河核が見えています。

その明るい領域の上下に注目してみると、銀河核を要として細長く伸びた扇形の影のような暗い筋が、V字を描くようにそれぞれ2本ずつ写っているように見えます。ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのPeter Maksym氏らによると、この暗い筋は実際にIC 5063の活動銀河核から伸びた影の可能性があるようです。

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【冒頭の画像に影の範囲などを示した注釈を加えたもの(Credit: NASA, ESA, and W.P. Maksym (CfA))】

研究グループはIC 5063の中心から伸びる影を生み出した原因について幾つかの仮説を立てましたが、そのうちの一つに超大質量ブラックホールを取り囲む塵の集まりであるトーラス(ドーナツ形の構造)との関わりを示すものがあります。活動銀河核の中心には活発に活動する超大質量ブラックホールが存在するとみられており、その周囲には塵が集まってできたトーラスが形成されていると考えられています。>>続きはこちら


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Image Credit: NASA, ESA, and W.P. Maksym (CfA)
Source: ESA/Hubble / hubblesite.org
文/松村武宏

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