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当事者研究・自助会・自己紹介

系統的に遍くまとめる、が苦手だ。
遍くやろうとするのに、枝葉末節が膨らんで穴に落ちたようになり、出口が見えなくなる。

けれどもそれが美しい沼であれば、私は悦んでその身を浸し、その沼のなんたるかを蟲の複眼で把握し、没頭するだろう。

局所的な集中・凝集した一点から突如としてもたらされるアイディア。それを演繹的に展開して全体を理解する――そういう学び方が自分に一番適しているのだ、とはっきりと分かったのは、四十を手前にしたつい最近のことだ。

全体の浅い知識から、入らなくっていい。
全体を遍くオールマイティに、書けなくていい。
全部自分で、やれなくったっていい。

こんな理解が育つのに、どうしてこんなに時間がかかってしまったのだろう?


当事者研究という視点

自閉スペクトラム症の傾向と、ADHDの傾向がある。
言葉を額面通りに受け取りがちな性格から、学生時代は「先生の言うことを良く聞いて、学業を頑張りなさい」というメッセージに忠実に、集団の乗りや不文律がよく分からないことでの苦労はあったものの、困り感がそれ程なく、大学5年生までの17年間を比較的無事に修了した。

社会人になったらなぜか生きづらさの連続で、何をやってもつまづいて壁にぶち当たって、何だか生傷だらけになってしまった感がある。

エクセルで旅程表をまとめるのに時間がかかって、色々と本を読んだりして対策をしてもできなくて、睡眠時間を削っても終わらなくて、職場の人が助けてくれてもできなくて、怒られたりもして、うつ病になって辞めなくちゃいけなくなったのは、最初の職場だった。

今から20年弱前のことだが、当時は発達障害の認知が今ほどはなく、地域の支援センターみたいなところにバスを乗り継いて行った記憶があるけれど、発達検査でも特に所見はありません、だった。

それから10年程経ち、子育てをする中で子どものグレーな特性と自分の特性の相乗効果でやっぱり壁に突き当たり、その叫びを聞いたご近所の人が児童相談所につなげてくれて、「ペアレントトレーニング」を受けるに至ったのが、いろいろなことの転機になった。

略称で「ペアトレ」と呼ぶこの子育て研修は、発達障害とその周辺の子どもを育てている親のメンタル&行動トレーニングで、子どもの良い行動に注目を与え、望ましくない行動はスルーする、というのが基本的なスタンスで、「応用行動分析」という学問を土台にしている。

半年間のトレーニングは、子育てのためになっただけでなく、自己理解という意味で、学びが大きかった。特性のある子どもの理解のための座学の知識が、特性のあった自分自身の理解に、つながったのだ。

当時、高校講師として教職についたばかりで、自分の受け持つクラスにいる特性のある子にどう対応していけるのかに頭を悩ませていたこともあり、大学の特別支援教育課程に単位履修生として3年間在籍し、特別支援教育(知的・肢体・病弱)の概基礎科目を一通り取った。中でも、発達障害の理解と指導や応用行動分析の基礎と展開、大学院の授業に混ぜてもらった発達障害セミナーは、自己理解・家族理解・生徒理解の全ての視点を深め、また私という存在を紐解く手助けをしてくれた。

どうしてこんなに困難なのか?に説明がつくと、ひたすら打ちのめされているばかりだったのが、それに対処する方にエネルギーが向かい始める。知は力。当事者研究は、きっとそういう力を研究者自身に与え、また似たような特性や境遇をもった人に、テイラーメイドの地図を与えてくれるように思う。

そういう意味もあってきっと私はnoteに書いている。
いつかちゃんと、まとめてみたい。でも、きっとまとまらない(笑)


自助会の功

ふと本屋で手に取って、NHKラジオ第二講座「こころをよむ」の石丸昌彦著『こころの病で文化をよむ』を傍らに置いてある。ラジオでも放映中だ。

ここ2週間ほど続けて取り上げられている「依存という病」のくだりが興味深かった。アルコール中毒などの報酬系が乗っ取られている状態には、今のところ特効薬がないが、「自助グループでの語り」に一定の効果が認められている、というものだ。

自助グループでは、傾聴・守秘・批判しないなどのルールを設けた中で、患者さんたちが自分の近況や困りごとなどを安心して語り合えるような場が、設定される。そこで、普段周囲の人には話せないようなことも含めて、疾病にかかるエピソードやその時の思いを交流させる。その、聞いてもらえる安心感のようなものが手伝って、相互作用し合って、回復に向かっていく、というのだ。

自分は今、仕事と家事を回しながら、安定した気持ちで子育てをしていくことに課題を抱えている。子どもたちの父親である伴侶と、辛さや困ったことを分かち合いたいと願うけれど、夫婦関係にも課題があり、それは叶っていない。ちなみに夫はアスペルガー傾向があり、カサンドラを疑って書籍を数冊読んでみた位、気持ちを交換するのが難しい。

気持ちや体力の面でどうしても辛くなるときがあり、普段の生活の中でそれを消化しきれておらず、この局面をどうにかしたい。――どうしたらいいですか?と嘆願するような気持ちで、先日、主治医に聞いてみた。

「自助会とか、いいんじゃないですかねぇ~。きっと、土地柄、ありますよ」
と、いつもの淡々とのんびりした口調で、勧められた。

ちょっと、検索してみたけれど、なかなか見当たらない。
関東の、茨城県つくば市周辺か、つくばエクスプレス沿線、東京の山手線を含めて東側あたり…で、自助会を、知りませんか?

もしくは、自助会を開いたら行ってもいいよー、という人がいたら、どうぞお声がけください。

主に:

  • 発達障害の傾向を自分がもっていて(主に女子)、

  • 子育てをしている(していなくても可)

  • 子育てや家事に、家族のヘルプが得にくい(得ていてももちろん可)

サブテーマ:

  • 子どもが、学校に行きたくない(不登校または予備軍)

  • 子どもの支援機関(放課後デイサービスなど)を探している

  • 夫がアスペルガー


未完ですが、とりあえず、できたところまで!
ときには妥協が肝心。

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