いわゆる「音ゲー」じゃない音楽ゲームについてダラダラ語るだけのnote

身内のSlackでダラダラとやった音ゲー語りをそのまま投稿します。
ここではビーマニとかポップン、太達みたいな「固定されたレーンに乗って譜面が流れてくる音ゲー」からは少し外れた音楽ゲームを取り上げてます。とはいえ私自身熱烈なゲーマー・音ゲーマーというわけではないので、ただの思い出話程度に読んでいただければ幸いです。

音ゲーUIといえば、やっぱ「グルーヴコースター」が革新的だった
筐体が置かれた当初は仲間内でちょっとしたブームになり、「グルコースやりに行こうぜ〜」っていいながら二人プレイをずっとやっていた(グルコースという略称は流行らなかった)。

グルーヴコースターはこういうゲームです

譜面が蛇行したり四角くなったり丸くなったりするのはゲーム的には"無意味"なのだけれど、でもこの譜面を映像体験に落とし込む試みは超面白くて登場したときはめちゃくちゃテンションが上がった。「音ゲーってこんなのもアリなのかよ!?」って。
このステージとか凄い。譜面の自由度が高いからシステムの内部で「原作再現」みたいな遊びができてしまう

見えないボーナス譜面が置かれてて適当にリズムに乗って空打ちしてるとコンボになったりするのも面白い(後述のmuse dashにも似たような仕様がある)。

リズム天国とかと同じような「音楽と映像体験を組み合わせたインタラクティブなアトラクション」という感じがする。

グルーヴコースター以後で譜面空間が面白かったのはやはり「Beat Saber」か。

譜面の構成自体はグルーヴコースターよりずっとシンプルなんだけれど、VR空間で譜面を「斬る」というアプローチによって音楽が身体に結びついてる感が格段に上がった。リズム天国もグルーヴコースターもビートセイバーも音楽に「参加している」という感覚をめちゃくちゃ大事にしてる印象がある。
普通の音ゲー(ビーマニとか)は入力を継続することによるフロー体験を作り出すことに注力しているけど、グルーヴコースターとかはフロー体験の前段階のエンタメとして「映像に参加する/音楽に参加する」というインタラクティブな世界観を作り込んでいる。

まぁやっぱりインタラクティブという意味では「パラッパラッパー」が最高なんですよね。あれはリズム天国に引けを取らないくらいエポックメイキングな作品ですよ。人生のゲーム3本挙げろと言われたらとりあえずパラッパラッパーって言ってほか2つを考え始める(早口)。


パラッパラッパーが革新的なのは譜面を守らなくても良いということで、これは譜面通りに動くことを要求するタイプの音ゲーに対して明確なアンチの姿勢を取り、「音楽ゲームっていうのはゲームシステムを使ってユーザーが音楽に参加する営みなんだよ」って言い切ったところにある。譜面を守ることよりもユーザーが好きな乗り方をする方を優先し、だからこそそっちのほうが高得点が出る仕組みになっている(COOL)。

追記 恥ずかしながら執筆時点で把握していなかったのですが、パラッパ以前に音楽ゲームというジャンルはほぼ存在しておらず、その意味でパラッパは音楽ゲームを定義づけたパイオニア的存在と言えるようです。
ただ、それでも音楽に関するゲームがまったく存在していなかったわけではなく、上にあるような譜面に合わせてボタンを押すことを要求するゲームへのアンチ的姿勢がパラッパの源流となっているのは間違いないようです。
これについては以下のインタビューに詳しく書かれています。
https://gigazine.net/news/20170502-parappa-the-rapper-matsuura-masaya-interview/

松浦:
当時、僕はコンピューター雑誌の連載をやっていて、編集の担当の方が音楽を題材にしたソフトやゲームを持ってきてくれたんですよ。その中に、プラスチックでできたギター型のペリフェラル(入力装置)を使って、画面に出てくるボタンに合わせてボタンを押すというゲームがあったんですが、それが本当につまらなくて(笑)。もう説明のしようがないぐらいつまらなくて、「なぜこんなにつまらないんだろう?」というのが、『パラッパラッパー』を作っていく上での1つのきっかけになったような気がします。ゲームということになるのかはわからないのですが、インタラクティブな体験の中には、プレイヤーが「没入できる要素」が絶対に必要不可欠なんだなということを強く感じました。

パラッパラッパーは師匠が見せたお手本を主人公のパラッパが真似する、という形で進んでくのだけれど、この基本ルールはいわゆる守破離の「守」でしかなくて、ユーザーはこのルールを自由に「破」ることができる。すると最終的にはお手本たる師匠もいなくなって、パラッパが一人で自由なラップを繰り広げることになる(「離」)。これは「譜面を守るほど高得点!」という音ゲーの常識からはかけ離れたものになっていて、画期的。
パラッパは世界観も良かったですよね。プレイの上手さに応じて背景とかBGMも変わっていく。色んなところにインタラクションが仕込まれている楽しさは今見ても色褪せない!!!!(早口)

音楽のインタラクション性を純化して取り出したゲームが「エレクトロプランクトン」なんだろうなぁ。ここまで来るとゲームというよりは楽器に近くなってくる。パラッパラッパーもかなり楽器的な側面を持ってるように思えるけど。

音ゲーのほとんどは、プレイ中に画面がほとんど変わらないがゆえに外から見てる人にとっては(スーパープレイでない限り)退屈で、プレイヤーの中に閉じたゲームという性質が強かった。
そこを打ち破ったのがリズム天国(特に『みんなのリズム天国』)で、あれは映像的な楽しさを音ゲーに取り入れたことでプレイヤーの外側の人が見ても楽しめる設計になっている(と製作者によって語られていた記憶がある)。

注 『みんなのリズム天国』の「社長が訊く」の記事内にそういう感じの記述がありました。
岩田「わたしの定義する「いいゲーム」の要素のひとつに、
「まわりで見ている人が楽しい」というのがあって、
任天堂でもともとつくってきた伝統的なテレビゲームの中でも
そういうものがたくさんヒットしてきたんです。
だからタイトルの「みんなの」の意味は、
「コントローラが4つあって同時にプレイする」
じゃなくて、1人が遊んでいるのをまわりのみんなが、
固唾をのんでみたり、失敗したら笑って餌食にしたり(笑)、
「みんなの」の意味は「みんなで楽しむ」なんですよね。」
https://www.nintendo.co.jp/wii/interview/somj/vol1/index6.html

この「音ゲーの画面退屈問題」を同じく打ち破ったのが「Muse Dash」だと思っていて、これは音ゲーのシステムを保ちながら、そのゲームUIを横スクロールアクションに翻訳してしまう、という大胆な設計になっている。

それによって「Muse Dash」は「配信映え」するようになり、音ゲーは喋りとの相性がめちゃくちゃ悪いにも関わらず多くの実況が配信されるようになった。

個人的にグルーヴコースターの先駆でありmuse dashの先駆だと思っているのが「ビブリボン」。音ゲーとアクションを組み合わせ、譜面は3DCGで様々な角度から映される。ミスると主人公の見た目がカエルになったりするのも面白い(このペナルティの付け方はパラッパとかリズム天国に近い)。

ビブリボンはチュートリアルが最高にかわいいマジで最高にかわいいのでこれはみんな見てほしい。

音ゲー×アクションといえば「パタポン」最高でしたよね!?!?!譜面はなく、ただ前進・攻撃といった指示を出すための「コマンド」が存在するという。これもインタラクティブな音ゲーの一つの完成形かもしれん……

パタポンみたいなループするBGMを活用したリズムアクションを語る上で欠かせないのは「クリプト・オブ・ネクロダンサー」でしょう!
BGMのリズムがステージ全体のターン数を規定していて、一拍経つと強制的に1ターン進んでしまうという超面白いルール。風来のシレンに音ゲー要素を足すとこういう感じになるんですね。

飽きたので突然終わります。

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