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混同されがちな体幹トレーニングとバランストレーニング

こんにちは、2nd GYMです。
わりと混同されがちな体幹トレーニングとバランストレーニングについて考察していきます。

まずは「体力」の大枠から捉えていきます。
体力とは、人間が生存し活動するために備わった身体的能力の総称です。体力にも行動体力と防衛体力に大別されます。一般的に前者を体力として扱うことが多いと思います。

行動体力と防衛体力

行動体力は、自ら能動的に活動を起こしていく体力を示し、次の3つに分類されます。
〇行動を起こす能力
筋力、筋パワー
〇行動を持続する能力
筋持久力、全身持久力
〇行動を調整する能力
平衡性、敏捷性、巧緻性、柔軟性

何か重いものを持ち上げたり、運んだりするとき(筋力、筋パワー)、駅までの長い距離を移動するとき(全身持久力)などの、スポーツにおいても直接影響する体力です。(分類されたうちの細かい能力は、団体や考え方によっていろいろあると思います。)

一方防衛体力は、外部環境から与えられる様々なストレスに抵抗、あるいは耐える生存本能としての体力です。例えば、寒冷や暑熱、高圧などの物理化学的ストレス、細菌やウイルスなどの生物的ストレス、空腹感やのどの渇きなどの生理的ストレス、苦痛や恐怖心などの精神的ストレスに対するものなどがあります。

最近では、白鵬関や吉田沙保里さんがコロナに感染しましたが、高い行動体力だけが、感染する要因ではないということが皆はっきりと認識できました。また感染しても重症化しないためには防衛体力の「強度」が必要です。

バランストレーニングと呼ばれるものは、行動体力の中の、行動を調整する能力を示すことが多いようです。

「平衡性」+「巧緻性」

バランスという言葉は、いろんな意味でとらえることができる便利な言葉なので、少し言葉の解像度としては荒いかもしれません。語訳してみると「天秤」「釣り合い」「均衡」「安定」などがありますが、全部それっぽいです。

先に示した体力要素の中で、平衡性と巧緻性が近い言葉の意味になります。平衡性というのは、身体の回転感覚を司る内耳の三半規管によって、一定の姿勢を保とうとする能力です。巧緻性という言葉は聞きなれない言葉だと思いますが、身体各パーツを思い通りに体を動かすための能力で、これは脳と筋肉をつなぐ神経系のはたらきによるものです。

例えば、平均台を渡るとしたら、足底の巧緻性と、フラつかないための平衡性と歩くための脚筋力が必要です。

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よって、バランストレーニングは、これら平衡性と巧緻性の要素を組み合わせた体力要素の訓練ということができます。

曖昧な体幹トレーニング

しかし実は、先の平均台を渡るには、それ以外の力も働いています。横に長い棒を持って、渡る平均台が坂道だとどうでしょうか。

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床に接地している足裏だけが調整するわけではなく、持っている棒にも重力はかかるので、支えている足底部から持っている腕までの無数の筋肉に対してそれらを連結し調整するような負荷がはたらいています。

上半身と下半身を分離しないようにつなぎ止めるような訓練、それがいわゆる「体幹トレーニング」といっていいでしょう。もちろん人それぞれ示す体幹部ってバラバラで明確な定義はありません。

ラグビーなんかまさに、進行を妨げられる行為そのもので、スポーツの中でもとりわけ「体幹力」が求められます。

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よって、一言にバランスをとるといっても、床との接地点の数と、接地面積によってバランスの取りやすさは変わってきます。

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体幹トレーニングとバランストレーニングの違いは、床と接地する点と面積、そして関わる関節や筋肉の数、そしてそれらに求められる強度と耐性によって異なります。

ここまで体力要素を軸にバランストレーニングと体幹トレーニングについて考察していきました。どんなトレーニングにも意味はあると思いますが、ただやみくもにトレーニングするよりも、何を目的にどんな素養を得るために行う種目であるかを考えて行うと楽しいですよね。

以上、一般的にわりと混同されがちかもと思ったのでまとめてみました。

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