「ユーザーのことを考えて仕事をする」ということについて(後編)
前編はこちら↑
以前までは「作ることそのものが楽しい」と思っていてのですが、「ユーザーのことが好きになる」「ユーザーに迷惑をかけてしまった」という経緯で、徐々に意識が変わっていったということを書きました。
今回は、ユーザーのことを考えて仕事をするようになった最後のきっかけを書いていこうと思います。
実際に機能を設計してみることになった
前編で書いたのですが、その当時の会社は全体で30人、エンジニアが5人ほどのとても小さな組織でした。
ある日、エンジニアのリーダーから「複数の既存ユーザーから似たような課題が寄せられているので、それを解決する機能を考えて欲しい」と言われました。
どこに導線を置いて、どんなフローで、どんな画面構成で、といった内容全ての設計を任されました。
と言われても、これまでそういった経験はなく、個人で何かつくるときはbootstrapでなんとなく整えるくらいでした。
基本的には他の機能に合わせて違和感のないようにすればいいと思ったものの、世に出るものを無責任に考えたくないなと思って進めていきました。
どんな人がサービスを使ってくれているか知る
それまで意識しなかったのが不思議なのですが、本来Webサービスって
どんな年齢のどんな経歴のどんなネットリテラシーの人でも使えるようにあった方がいいんですよね(当たり前)。
冷静になるとそれはとんでもないことだなと思って、まずはカスタマーサクセスや営業の人に時間をもらって、使ってくれている人を知ろうと思いました。
どんな人か:年齢、性別、ネットリテラシー、好きなもの
いつ使っているか:朝出勤して業務の前に or お昼を食べながら or 午後の休憩後に or 業務の最後に
どんな風に使っているか:ボタンを押すだけの作業はスマホから、入力が必要な作業はPCから or 忙しいときはスマホから、そうでないときはPCから
上記は一例で、もっと多くのことを聞いてもっと多くの情報が得られました。
特に驚いたのは、PCとスマホで使い分けている人が多いことでした。
これは私が関わっていたサービスに限った話だと思いますが、裏を返すとサービスによって使い方は千差万別なので、実際の声を聞かないと何もわからないなと思いました。
そして、ものづくりに必死になっていた自分は視野が狭かったと思い知らされました。
使っている人の気持ちで自社、他社のサービスを触ってみる
ここまでの情報を使って、色んなサービスを触ってみました。
5分の隙間時間、スマホでこの作業を完了させようとか
1日の終わりにするであろう操作を「これが終わったら帰れる」という気持ちでやろうとか
やってみると、最初は「なんかサクサク進む」「なんとなく使いづらい」みたいな感想だったのが、徐々に「このUIだと迷わないから使いやすい」「このボタンの色だとどっちを押すべきかわからないから使いづらい」のようなことが見えてきます。
これは本当に楽しかったのを覚えています。
普段使っていたり、実装しているせいで見飽きたサービスでも、シチュエーションを決めて他の誰かになりきると、途端に良さや悪さが浮き彫りになってくる。
ワイヤーを引いてデザイナーに相談する
とはいえ私にはデザインの知識はなかったため、紙とペンでワイヤーフレームもどきを作ってみることにしました。
自社サービスの他機能との違和感が出ないように、参考になった良いUIを配置し、触ってくれる人のことを考えてワイヤーフレームを引き、デザイナーに見せて添削してもらいながらブラッシュアップしていきました。
自分で仕様を考え、ユーザー調査をし、ワイヤーを引いた機能というのは、実装するのがとても楽しく、愛着が湧くということがわかりました。
このような経験を経て機能はリリースされ、何度か微調整はしたもののユーザーから感謝の声をいただけるものになりました。
まとめ
今回もまた長くなってしまったので手短に締めようと思いますが、
ユーザーに実際会って話をして、好きになる
機能を使ってもらえなかった経験をする
ユーザーのことを調べ、「使いやすいもの」を考え、機能を設計する
という過程で、私は「ユーザーのことを考えて仕事をする」というのが好きになったと思っています。
やはりまだ文章を書くのが下手で、好きになった過程を腑に落ちる形で書けていないような気がしますが、続けていくうちに書くのが上手くなったらまた頑張って言語化しようと思います。
読んでいただきありがとうございました。
次回は時事的なネタということで、確定申告、それに付随して個人事業の開業について書こうと思います。
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