彼とふたりの空間で #23
誰もいない夜のグランドの駐車場。
車で彼が来るのを待った。
ドキドキが止まらず、
やたらと喉が乾く。
しばらく経つと、
彼の車が到着する。
窓越しに目が合って、
思わず笑みが溢れた。
マスクで表情が分からなかったけど、
変わらない落ち着きのある雰囲気。
「おいで」と言うように手招きをする彼。
何を喋るかも全部吹っ飛んだけど、
勢い任せで彼の車の助手席にお邪魔した。
久しぶりの会話に話が弾む。
最近の近況。
今の仕事の話。
中学時代の思い出話。
わたしから、
ずっと言いたかったことを切り出す。
「中学生の時に付き合ってた頃、
男性経験もなくて、
どういう風に接したらいいのか
全く分からなくて、
◯◯に何もしてあげられなかったことを
ずっと後悔してた。
より戻したいって言ってもらった時も、
本当はめちゃくちゃ嬉しかったのに、
ありもしない噂を信じてしまって
戻らなかったことも後悔してた。
ごめんね。」
思いが溢れ出てきて
一気に聞いてもらった。
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