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豪州日記❘ 面倒でもお金がかかっても外出すべし

先週末は、職場の人たちとシドニーに行く予定でしたが、天気が悪く延期になりました。楽しみだったものの、it is what it is (仕方がない)。
思えば、その週は仕事終わりにバドミントンをしたり、送別会があったりと、せわしなかったので、リセットデーにあてることにしました。

具体的には

  • 掃除や洗濯、アイロンをきちんとすること

  • meal prep (一週間のご飯準備)は絶対

ほかにも

  • お気に入りの映画をソファで観ること

  • 気になっていたベーカリーでお昼を食べる

  • 家族に電話をかける

  • ブルーのシャツを探しに出かける

  • ヨガとピラティスで体をリセットする

と自分なりに「一人で過ごすときに、一番自分がリラックスできて、エネルギーチャージもできること」を詰め込んでみました。

料理もリラックスの手段。手が込んだものでなくても
自分なりに手間と知恵をかけて作ったと思えるものを。

ところが、土曜は、ベーカリー&ショッピングの日にしようと意気込んでいたものの、朝から雨。正直なところ外出には気が向きませんでした。とはいえ、せっかくの何もない休日。思い切ってバスに乗り、30分歩き、ベーカリーに向かいました。

キャンベラは基本的に、どこでも閑散としているのですが、このベーカリーはローカルたちで混んでおり、一目で人気なのが分かりました。

席につくなり「コーヒーからはじめますか」と聞かれます。少し時間をもらって注文したのが、フラットホワイト(オーストラリアでよく飲まれるコーヒー)とチョリソーの乗ったオムレツ。

オムレツもおいしかったのですが、それ以上に、添えられたサワードウブレッドにバターを載せ、コーヒーに付けて食べるのが、最高でした。これがあれば、何もいらないと思えるほど…!
(クロワッサンにカフェオレを浸して食べるという、パリジャンがインスピレーション)

店内はこじんまりとしており、テーブルがひしめいています。隣の席ではおじさんが新聞を片手に、コーヒーとトースト、クロワッサンダマンドを食べていました。

律儀に、トーストを食べ終わったらクロワッサンダマンドに手を付けており「私だったら、しょっぱいのも甘いのも、何度も楽しみたいから交互に食べるのにな」などど、いらないことをつい考えてしました。


お腹がいっぱいになったところで、ショッピングモールに移動しました。職場で着られるブルーのシャツを探していたのですが、とある店内でお客さんが近づいてきました。これまで何度か店員さんに間違われたことがあるので「あ、私、店員ではないんだけどなぁ」と思っていたところ

「あの、今着ているベージュのブレザー、すごくおしゃれだけど、どこで買ったんですか?」と聞かれました。
「実は、韓国で買ったもので…MUSINSA STANDARTというところなんです」と、裏地のタグを見せました。
「ムシーナ?あぁ、ムシンサっていうブランドなんですね。すごく素敵」

私はすっかり嬉しくなってしまいました。お気に入りの服を褒められたことはもちろん、わざわざ声をかけてくれたことに、心が浮き立ちました。

そして、ハッピーな気持ちのまま、違うお店に移動すると、足を踏み入れるのは初めてのはずなのに、見覚えのあるロゴのバッグと洋服が並んでいます。よく見てみると、私が日本にいた時から気になっていたブランドでした。

そこでピピッとくるブルーのシャツを見つけました。目を引く綺麗な青、オーバーサイズでほどよく抜けた襟、前身頃のさりげない刺繍、全てがドンピシャでした。試着して買うことになるのですが、ここでも心温まる店員さんに出会いました。

アジア系の方で、私が日本出身だと伝えると「近々日本に行くんです」と教えてくれました。ほかにも、私が受け答えで少し勘違いしてしまっても、温かく笑顔で対応してくれました。

そういえば、日頃は店員さんがどういう方で、どういう服装だったなんて、翌日、あるいはその日のうちに忘れてしまいますが、その方のことは、まだ思い出せます。何とも気持ちの良い時間でした。


帰宅して、ベッドに潜り込むときに思ったのが「あぁ、なんていい土曜日だったんだろう」ということでした。「朝は外出がおっくうだったし、確かにお金も使った。でも、それ以上に思いがけない素敵なことが沢山起こった。些細なことだけれど、この積み重ねが人生なんだろうな」と。

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