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【体験談】留学奨学金:合格のミソ4つ

お金をどう工面するか ―。留学にあたり、多くの人が向き合う問題だと思います。私も海外大学院への進学を検討しはじめた当初「こんな高額な学費(欧米圏)は払えない…」と頭を悩ませていました。

最終的には、パンデミックもあり欧米圏ではなく韓国の大学院に進学することに決めたのですが、やはり様々な奨学金に応募しました。
もちろん不合格だったものもありますが、複数の団体から十分な額をいただくことができました(詳細は以下の記事に譲ります)。

奨学金へ繰り返し応募し、自分なりにこれがミソなのでは?ということが分かってきたので、整理してみました。
※ 念のため、私個人の体験談ということをことわっておきます。

奨学金合格のミソ



① 自分が奨学金=「投資」の対象であることを示す

これは「自分が奨学金をもらうに値することを証明する」とも言い換えられますが、この観点が最も大切ではないかと思います。

やはり奨学金は、財団からすれば数十~数百万円を見ず知らずの学生に給付するということなので、それにふさわしいと思ってもらう必要があります。

そのためには、一つ目に「これまで自分なりに目標をもって勉強と生活を『きちんと』行ってきたこと」をアピールします。

例えば「大学入学時から海外大学院への進学を念頭に勉学に励み、○○という高いGPAを得られた」「専攻以外の○○の分野にも関心があったため、他学部の講義にも参加したり独学したりした」等が考えられます。

ここは、他の応募者と差をつけるというよりも、大前提として「私は真面目で奨学金対象者として信用できます」という程度ではないでしょうか。

信頼性を担保できたところで、二つ目に「奨学金を得て実現したいことと、その価値」を示す必要があります。ここでの「実現したいこと」とは、留学そのものではなく、留学で得たものをどう生かすかという、より長期的な目標になります。

私は「韓国の大学院で国際関係学を専攻し、なかでもメディア分析の観点から日韓関係について研究する。修了後は○○として、日韓関係の改善に携わりたい。日本と韓国の政治・経済連携がより活発化すれば、○○のような利点や利益を見込むことができる。」というように趣旨で書きました。

ここで大切なのは、実現したいことが独りよがりなもの(例:自己成長したい)ではなく、社会への還元であることだと思います。

理想を言えば、「この学生に奨学金を『投資』することで、そのリターンとして何倍ものポジティブな影響が社会に還元されそうだ」という可能性を、審査側に感じさせることができれば良いのではないでしょうか。

Google フォトになぜか残っていた、奨学金を探していたころの写真。
大学構内の掲示板をひたすらチェックしていた日々を思い出します。


② 奨学金の趣旨を十分に理解し、審査側に立つ

これは意外に盲点かもしれません。奨学金申請の時期は、大学院の受験準備にも重なるため忙しく、同じ文章や書類を使い回したいところですが…「募集要項をしっかり読む」ことをお勧めします。

私がこれを実感したのが、トビタテ留学!JAPANに応募したときでした。
募集要項を参照すると

官民が協働し、民間の知見や支援を活用した海外留学支援制度
・座学や知識の蓄積型ではなく「実社会との接点」から多様な学びを得ることができる学修活動に焦点を当てた留学を支援
日本の未来を創る将来のグローバルリーダー
産業界を中心に社会で求められる人材

といった文言が並んでいます。私はトビタテ(=審査員)は「日本の産業界への貢献が期待できる人材と留学計画」を強く求めていると判断しました。それもそのはず、トビタテはNTTやTOYOTA等々、日本の企業の寄付によって成り立っています。

そのため、応募する際に「大学研究者になりたい」にしても、それで「いかに日本の産業界に貢献できるのか」という観点が不可欠だと思います。(文系は特に難しいと思いますが…。)

トビタテだけでなく、ほかの奨学金に関しても募集要項を読みみ「どういう財団が出資しているのか」「奨学金の趣旨は」「求める人材/留学像は」等のポイントをしっかりと理解する必要があります。

それを押さえたところで、自分の「手札」、つまり自身がこれまで力を入れてきた活動や経験、将来の計画等々のなかから、各ポイントに合うものがないか吟味します。そして、それを「切り札」として申請書にちりばめるイメージです。

これまでの活動や留学計画を改ざんすることはもってのほかですが、ある程度は先述のポイントに応じて「編集」することも考えられます。例えば、トビタテであれば、留学後の進路を民間企業への就職とする、これまでも座学だけでなくボランティアやインターンを通じて、実社会に学びの機会を求めてきた、等々。


韓国留学の一コマ。ホルモンの焼き物?と豆腐チゲ。

③ 過去、現在、今後をつなげたストーリーをつくる

就活では一貫性が大切とよく言われますが、奨学金応募にも通じると思います。応募者に一貫性が感じられない場合、奨学金を与える側は、そのお金を有意義に使ってくれるのか不安になることは、容易に想像できます。

そうは言いつつ、私は学部と修士で専攻も留学先も全く違います。学部では美術史を専攻しイギリスに交換留学をしました。一方で、修士は国際関係学かつ韓国。

正直に言うと、コロナが無ければ韓国も国際関係学も選択しなかったはずなので、一貫性も何もありませんでした。ただ、奨学金応募の際に「コロナで仕方なく」とは書けないので、これをどう繋げるか、頭を悩ませました。結果、次の2点を明確にすることにしました。

・これまで行ってきた韓国に関係する活動をひねり出す
・美術史から国際関係学へ関心の対象が移った背景

やや強引ではありましたが、学部時代に韓国語スピーチ大会で受賞したこと、韓国短期留学を2回経験したこと、美術だけでなく政治・経済の知見も備えて「よりよい社会づくり」を行う必要性を認識するようになった出来事等を記述しました。

現在と未来については、比較的自由に、融通を利かせて書くことができるのではと思います。

こうして、「過去に○○を経験し、現在○○ということを考え計画している、そして今後は○○の目標を達成したい。」という整合性のとれたストーリーができあがるのではないでしょうか。


④具体性をもたせて、奨学金の必要性と使途を明確に

この項目は自身の状況や奨学金に応じて変わってくると思うので「必ず含めた方がいい」とは断言できないのですが、参考までに。

個人的には、奨学金がなぜ必要であるのか、そしてそれをどう使う予定なのかについて、ある程度は明記した方がよりよいのではと思います。

例えば「留学資金準備のため、これまで○○のアルバイトを行ってきた。しかし、△△大学の学費は~円と高額で、まだ不足している」「この奨学金をいただくことができれば、留学先で研究により一層専念できる」等が考えられます。


年の暮れとなり、来年や今後やりたいことについて腰を据えて考えている人も多いのではないでしょうか。私も4年ほど前のこの時期、国外の大学院に進学しようと本格的に検討し始めたことを思い出します。

お金の問題はもちろん、その目途が立ってからも留学準備は本当に大変で、今その最中の人もいるかもしれません。頑張れ、なんて無責任なことは言えませんが、いつか必ず終わるはずです。

私は2度経験し「もうこんな面倒なことはやらない」と決めたはずなのに、また挑戦したいと考えている日々です。やっぱり自分で自分の人生を切り拓いている感じを味わいたいのかもしれません。




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