オペラ習ってたら初めてのカラオケデートで大失敗した話
学生時代のデート失敗談です。(注:私はレズ)
デート編は、目次の「4.初めてのカラオケデート」の項目から読めるよ!
1.声楽を始めたきっかけ
私は小6〜中2のとき、オペラ(声楽)を習わされていました。
もともとはピアノを習っていたんだけど、あまりにもピアノの先生が厳しくて、
「先生、、、ピアノをやめたいです、、、涙」
と3ヶ月に1回くらいの頻度で、私は先生に辞意を表明していました。
<余談>
ちなみに弟も一緒にピアノを習っていたのですが、弟はある日のレッスン日に
「うわああああ!!!もう行きたくないいいい!!!」
と絶叫しながらピアノの練習カバンの中身を道路に全部ぶちまけ、住宅街のど真ん中で大声を出して泣き叫ぶという荒技を成し遂げたことにより、無事ピアノ教室からの脱出を果たしました。
あのときのアイツはカッコよかった、、、。
私は弟のようなワイルド脱出をすることができないまま、ズルズルと小6までピアノを続けていました。
ある日、いつものように、私は
「先生、論ちゃん、ピアノやめたいです。」
と伝えました。
(補足:私は同級生たちの一人称変化に気付かぬまま親がつけた愛称を一人称にし続けるアホアホどアホ小学生でした。(黒歴史) )
そしたら先生が、
「じゃあ、声楽にしましょう。声楽なら先生は専門じゃないから、ピアノより優しく教えられると思うわよ!」
と、よくわからない提案をされました。
しかし、アホど真ん中だった私は
「先生が優しくなるなら、いいかあ涙」
と思い、ピアノから声楽にシフトチェンジすることになりました。
ちなみに、当時の私の音楽への興味関心は 皆無 です。
好きな歌手はおろか、音楽番組を一度も見たことがないレベルでした。
クラスの おしゃま(死語) な女の子たちは、兄姉から借りたCDを聴いたり、学校の休み時間に好きな歌手の曲を口ずさんでいるようでしたが、
当時の私は、いかに紙飛行機の滞空時間と飛行距離を伸ばすか に心血を注いでいたので、
歌にも音楽にも何の興味もないまま、私の声楽ライフはスタートしました。
2.声楽のレッスン内容
結論からいうと、先生は全然優しくならなかったです(詐欺)
声楽を始めるにあたり、まずは普段の食生活に指導が入りました。
具体的には、カレーなどの辛いものや、炭酸飲料など喉を刺激するものは禁止されました。
カレーは甘口を食べていたと思うけど笑、炭酸飲料は飲まないようにしていました。
先生は、
「女子も声変わりするのよ。15歳までにその人の声が決まるから、15歳までに出せる音域を広げましょう!!」
とハリきっていました。
一方、私は、
「15歳までこの教室に通いたくない。」
と内心思いながらも、先生が怖くて、泣く泣く従っていました。
私は当時から声が低く、人生で最も綺麗な声が出たときでも
低いラ から 高いソ までしか出せませんでした。
先生は、私の音域が狭いことに、それはそれは不満そうでございました、、、(ガクブル
教科書は、声楽初心者定番の『コンコーネ50番』を使っていました。
(ピアノでいう『バイエル』的なもの?)
うわあ、これ表紙みるだけで今でも吐気と悪寒と謎の涙が止まらねえ
コンコーネは、母音の「ア」のみで歌いました。
(他の母音で練習することもあるのかな?してたのかな?忘れた知らん)
この「ア」だけで歌うのが、マジでキツいんだわ、、、(主に腹筋が
レッスン中、先生から1億回くらい言われていたのが
「喉を使って歌ってはいけないわよ。喉はただの音の通り道。
とにかくお腹から声を出しなさい。(般若フェイス)」
・腹式呼吸
・ビブラートをかけるときはお腹で空気をふるわせろ
・喉を使うな
これらを3年間かけ、徹底的に叩き込まれました。
喉を使うのは、せいぜい音程を変えるときだけ?かな?
ビブラートについては、音符1つにつき、お腹を1~2回ふるわせる感じ。
最近流行りの腹筋パッドを自前の腹筋でやる感じです。
この「ア」の発声と、腹筋使いまくり発声により、当時の私の腹筋は4パックくらいに割れていました。(注:運動経験はゼロ)
あと注意を受け続けたのが、舌の奥を下げること。
「のどちんこの手前の舌をグッと下げて、声の通り道をとにかく広げなさい。」
と指導されました。(「のどちんこ」とは言ってなかったかも笑
レッスン中、私の目の前には常時 鏡 が置かれ、私は舌の奥が上がっていないかセルフチェックしながら歌っていました。
私の歌声が怪しい時は、先生自ら私の口腔内をガン見チェックしていました。
この舌をグッと下げる技術は、風邪を引いてお医者さんに喉の奥を見せるときに役立ちます笑
3.ペアを組んで歌う
私が声楽を始めさせられてから2年が経過した頃、声楽を学ぶために自ら教室に通い始めた同い年のKちゃんという子が登場しました。
その教室で声楽をやっていたのは私とKちゃんしかいなかったため、私たちは必然的にペアを組むことになりました。
Kちゃんはソプラノ、私はアルトでした。
Kちゃんは歌が好きで、「将来歌手になりたい」という明確な目標をもっていました。
声楽をする生徒が2名揃ったことで、先生は大はしゃぎ
「今度、2人でコンサートに出ましょう」
と地獄の提案をしてきました。
2人で歌うことになった曲は、パッヘルベル「カノン」
YouTubeで、
「カノンを2人ペアで歌ってる人たちいないかな」
と探したのですが、いなかった・・・。
もしやこの曲、人間の声帯で歌う曲ではなかったのか・・・(疑念
この曲はたしか「ラ」のみで歌わされた気がします。
練習は「ア」で、本番は「ラ」で歌うという感じだった気が・・・とにかく歌詞で歌わせてくれねえんだわ
これはもう本当に頑張った。
私もKちゃんもめちゃくちゃ頑張って練習した記憶があります。
ちなみに、通っていた練習教室は住宅街のど真ん中にある壁の薄~い一軒家の1階にあったため、私とKちゃんの歌声は外に丸聞こえです。
母いわく、たまに教室の外に散歩中のご老人たちが集まり、勝手に鑑賞会をしていたそうです・・・見せもんじゃねえ!!(涙)
そしてコンサートが1か月後に差し迫った頃、先生から
「舞台にあがるときの衣装はドレスにしましょう。」
と提案されました。
私はそれを聞き「もう無理だ」と思いました。
理由は、ドレスを着たくなかった、それだけでした。
人前で歌うのも正直イヤだったけど、ましてやそんな見世物みたいな格好をして舞台に上がるのはもっと嫌だと思いました。
それから、私は4週連続で教室を登校拒否しました。
その頃の私は中2になっており、一人称も「私」で、自我が芽生え始めていたのです。
そんな私の様子をみて、周囲の大人(先生や親)たちは、
「これはさすがにもうダメね・・・。」
と諦め、登校拒否のまま、私は教室を自然退学したのでした・・・。
(Kちゃん、あの時は迷惑かけて本当にごめんね・・・涙)
4.初めてのカラオケデート
前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、そんなこんなで、私は中2まで声楽(オペラ)を習っていたのでした。
そして高校に入学したのち、人生で初めての彼女ができました。
ある時、彼女とカラオケに行くことになりました。
当時私は、カラオケに行ったことがありませんでした。
カラオケに到着しても「でんもく?なんじゃそら?」という状態。
私は彼女に「何がなにやらわからないんだけど」と伝え、
まずは彼女から歌ってくれることになりました。
画面に映し出される曲名、そして歌詞
歌詞だけが映し出された画面を見て思ったこと
(え? 楽譜は?)
音階がわからない
クレッシェンドの記号すらない
頭の中は「?????」でいっぱいに。
そう、私は歌は習っていたけど、現代のカラオケ事情を全く知らない原始人のような女子高生に育っていたのです。
(パッヘルベルがいきなり平成のカラオケボックスに連れ出されても、同じ感想を抱くと思うよきっと)
何の指示も書かれていない歌詞だけの画面を見ながら、彼女は歌い始めました。
私は彼女の歌声を聞いて、
「え、なんでちゃんと歌わないの??(^^ )」
と言いました。(※純真無垢のダイヤモンドスマイルで)
当時の私は、本当の本音で、彼女がふざけて歌っていると思ったのです。
「おいおい、喉から声出てるよ~w」
「音程、合ってないじゃーんw」
「伸ばすところだけでも、ビブラートかけろよ~w」
そんなやり取りを、脳内で想定していました。
しかし彼女は真顔で、
「・・・ちゃんと歌ってるけど」
たしかな怒りのオーラを感じました。
アホな私でも、さすがに気付きました。
「やばい、マジでちゃんと歌ってたんだ・・・」と。
その後の記憶はないので、そのデートがどうなったのかはわかりませんが、とにかく悲惨な、初めてのカラオケデートでした。
その後は、大学や職場での飲み会カラオケに参加を重ねることで、
「そうか、カラオケってのは歌う場所じゃなくて、みんなでワイワイ盛り上がる場所なんだ!」
と無理やり納得することにしました。
でも、たまーに、
「本気で自分の実力どおりに、好きに歌を歌いたいなあ!」
と思うので、そういうときは一人でカラオケに行きます。
(トップ画は、先日1人でカラオケに行ったときのものです。)
5.現在オペラを習っている子どもたちへ
将来、デートでカラオケに行ったとき、
「え、真面目に歌ってる?」
「腹式呼吸できてないじゃん」
「今のところって三連符じゃない?」
とか、思っても絶対に言っちゃダメだぞ!!!!(*'▽')!!!
お姉さんとの、お・約・束(^^♪
6.現在の私
現在の私の喉は、度重なる飲酒により潰れてしまったので、昔のような天使ボイスはもう出ません笑
今は楽譜も読めないし、歌唱力も激落ちくんです。
まあその方が、気兼ねなく誰とでもカラオケに行けるから良いかあと思いつつも、やはり歌うめえ人と行く本気カラオケは最高すぎる!!!(滝涙)と思ったりもしています。
自分の意に反して習うことになった声楽でしたが、今は楽しく、自分のために歌えるので、当時は大変だったけど、真面目に取り組んだ経験は無駄にならなかったなあと思います。
おしまい
追記
きゅうちゃんがカノンを歌っている方を見つけてくださいました!!w