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伊藤聡『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』感想&スキンケア駄話

この1~2年で生活習慣が大きく変化し、健康的な生活を送るようになった。
ジムに通って定期的に運動するようになり、自炊する回数が増えて野菜中心の食生活になり、そしてスキンケアを始めて、ゆらぎやすかった肌が安定するようになった。
その中でも特にスキンケアは私の生活を一変させた。これまで本、音楽(レコード、ライブなど)、ファッションというのが自分の3大散財要素だったのだけれど、そこに新たにスキンケアが加わることとなった。
私がスキンケアを始めるきっかけになったのは、実家に帰省した際、母のスキンケアコスメを使用したことに起因する。正確な時期はうろ覚えだが、たしか1月か2月だったと記憶している。その時期は毎年肌荒れがピークに達するので、なるべく人との接触を避けたい時期である。私はいわゆる「敏感肌・乾燥肌」に属する肌質で、冬場は特に肌荒れがひどくなる。顔に粉が吹いたり、顔から首にかけて発疹が出る、というのが主な症状だ。その時期は皮膚科への通院が欠かせない。そのときはちょうど薬が切れていたときで、前述したような症状が出ている私を見かねた母が、スキンケアしろと半ば強引に自分が使用している化粧品を押し付けてきたのだ。当時はスキンケア=だるい、面倒くさい、というのが私の考えで、最初は拒否していたものの、だんだん抗うのが面倒くさくなり、結局は母のお節介を受け入れてその日は床に就くこととなった。
翌朝、起床後に鏡を見ると、目に見えてわかる変化が起きていた。顔に触れると、肌にハリがある、もちもちとした弾力がある、そしてなによりも驚いたのは、昨日までの顔の赤みが完全に消え、肌が明るくなっているではないか。
そのときに使用したコスメはパーフェクトワンのオールインワンジェル。一般的にスキンケアは洗顔→美容液→化粧水→乳液 or クリーム、という順番で行っていくのだが、オールインワンジェルはそのすべての工程を1つで賄ってくれるアイテムだ。化粧品一つでここまで変わるのか!と衝撃を受けた私は、翌日帰宅したその足でドラッグストアに駆け込み、同商品を購入した。値段は想像の3倍ぐらい高かったのだけれど、あの使用感や効果が忘れられなかったのだ。その日を境に私はスキンケアの沼にハマることになる。
※効果には個人差がありますので、あしからず。。。

きっかけこそ異なるものの、伊藤もほぼ同時期からコスメに関するツイートが増えており、美容デビューした時期がほぼ一緒と思われるため、同期のような親近感を勝手に抱いていた(無礼ですみません)。
伊藤聡の『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』は、そのタイトル通り、ある日通勤電車の窓に映った自分の姿が亡くなった父そっくりなことにショックを受けた著者が、容姿を変えたいと一念発起してスキンケアにのめり込んでいく日々を綴ったエッセイだ。化粧品売り場の品数におののく、それぞれの化粧品の役割がわからない、といった初心者が経験する共感ポイントを皮切りに、効果を実感したその日から伊藤は怒涛の勢いで美容にハマっていく。本書は著者の美容についての学び・成長を追体験するように進んでいく構成で、美容初心者でもついていきやすい内容になっている。

本書の中でスキンケアの魅力を捉えた一節があったので紹介したい。あまり意識していなかったのだが、自分がスキンケアを習慣化できている理由を言い表しているように思えた。

見た目がキレイになる、という結果も欲しいが、一日のなかに「いい匂いのするクリームや液を顔に塗りながら、音楽を聴いたり配信ドラマを見たりする」という余裕のある時間が生まれたことがよかったのかもしれない。自分の身体を手入れする時間を意識的に作った経験が、これまでになかったのである。容姿の改善のためにめんどうな作業をがまんするのではなく、日々のスキンケアの過程それじたいの心地よさを感じられるのがいいなと思った。マラソン選手が給水所でドリンクを受け取るような「補給」のよろこびがあった。

また、本書で言及されている長田杏奈の『美容は自尊心の筋トレ』にも、先に引用した伊藤の記述と共鳴するような一節がある。

それでも老若男女に「美容っていいもんだよ」と知らせてまわりたいのは、「自尊心を育む生活習慣」としての効用を日々実感しているからだ。自分の肌をやさしく慈しみ、心から美しい&心地よいと思える化粧品を塗って一体化し、見た目を整えて気分に合わせてカスタマイズする。色、香り、テクスチャーを繊細に感じながら、無心にスキンケアやメイクをする時間は、いわば動的瞑想や心を整えるマインドフルネスのようなもの。慌ただしくとっちらかり頭でっかちになりがちな日常で、つかの間自分と向き合うことができるひとときだ。

長田杏奈『美容は自尊心の筋トレ』

身体を労わることがそのままセルフケア、精神衛生の向上にも繋がっているというのは自分も感じているところがあり、伊藤・長田どちらの主張にも深く共感した。翌朝肌つやが良いと気分がいいし、前向きな気持ちで一日を迎えられる。自分を慈しむ甲斐があったというもの。それだけで人生が少しでも楽しくなるなら最高じゃないか。
本書は単純に美容の手引きとしても楽しく読めるし、自分を大切にする作法についても学ぶことができる一冊である。もし心が疲弊したとき、スキンケアはその一助になる可能性を秘めていると思う。マジで。

※おまけ※
ここからは私のおすすめスキンケア商品をご紹介します。
(先日の伊藤x長田のトークイベントの紹介コーナーが面白かったので便乗)

以下で紹介するのは私のような乾燥肌・敏感肌向けのスキンケアコスメが多いため、恐らく脂性肌の人が同じものを使うと肌荒れする可能性が高いので注意。ただ、試してみなければわからない部分もあるので、興味を持ったものから使ってみるのはいかがでしょうか。
※殿堂入り=つねにストックしている、と捉えてもらえれば

*洗顔

殿堂入り:ロゼット/米ぬか洗顔フォーム
その他おすすめ:麗白/ハトムギ泡洗顔、オルビス/オルビスミスターウォッシュ、マークス&ウェブ/モイスチャーフェイスソープ

スキンケアを始めてみてわかったことは、洗顔が命だということ。
肌に合わない洗顔料を使用してしまうと、たとえその後のステップが完璧でも肌荒れを起こす可能性が高い。私は美容液以降のステップはいろんな商品を試しているんですが、洗顔料に関してはかなり慎重に選んでいます。何度もの失敗を経て、最も自分に合っているなと感じたのがロゼットの米ぬか洗顔フォームです。
洗顔後もつっぱらずに、肌を保湿してもちもちな質感にしてくれる。値段も600円程度で継続しやすい価格帯なのも良い。ほのかにお米っぽい香りがしますが、ほぼ無香料に近いので、化粧品の香料が苦手な人でも使いやすいんじゃないかと思います。ロゼットの洗顔フォームはいろんな肌のタイプに向けたシリーズがあり、値段も500円程度で手を出しやすいので、洗顔フォームの入門編として最適な商品だと思います。

*化粧水

殿堂入り:日本酒の化粧水 ハリつや保湿
その他おすすめ:LITS/モイストローション、肌ラボ/極潤プレミアムヒアルロン液

日本酒の化粧水はいくつかシリーズがあるんですが、私が使っているのはハリつや保湿。
価格は他の日本酒の化粧水と比べて高めなんですが、セラミド、プラセンタ、ナイアシンアミドと、保湿成分、シミ・シワ改善&予防の成分がこれだけ入っているうえに大容量!これで1000円弱というコストパフォーマンスは随一かと。
テクスチャーはとろみがあるものの、ベタつかずさっぱりした使用感。とろみがないテクスチャーが好みであれば、ノーマルやユズが良いと思います。全身用としても使えるんですが、塗った翌朝は肌がピンと張っているのがわかるくらい、すぐに効果を感じられるんじゃないかと。
「日本酒の化粧水」というだけあってお酒の香りが少しするんですが、ユズのやつは商品名通りほぼほぼ柑橘系の香りしかしないので、苦手な人でもおすすめです。

*保湿クリーム

殿堂入り:キュレル/潤浸保湿フェイスクリーム
その他おすすめ:イニスフリー/グリーンティーシードクリーム、ミクスン/大豆クリーム、サミュ/PHセンシティブクリーム、マークス&ウェブ/ハーバルモイスチャーフェイスクリーム

伊藤も著作で触れていたキュレルのフェイスクリームは、私も初めて使ったときにとても感動した一品。保湿クリームの中では一番リピートしてます。軽めのふわっとしたテクスチャーにもかかわらず保湿力が高く、肌にすっと馴染んで瑞々しさを与えてくれる。唯一無二の使用感です。
イニスフリーのクリームは保湿力高く、ハーブっぽい香りが好み。サミュは石鹸のような清潔感のある香りで落ち着きます。少量でも保湿力が抜群で、つけすぎるとニキビができるほどなので、冬場に最適なクリームという気がします。ミクスンの大豆クリームはねっとりしたテクスチャーが保湿力の強さを物語っていて、塗るとベタつきそうですが、クリームの重みを感じさせない塗り心地。肌なじみよい使用感が魅力です。マークスアンドウェブのモイスチャークリームは保湿力に関しては他の商品に劣る気はしますが、どんな肌質にも合いそうな印象。テクスチャーは柔らかすぎず硬すぎず、といった程よい質感で、万人におすすめできるクリームだと思います。

*日焼け止め

殿堂入り:オルビス/リンクルブライトUVプロテクター(顔用)
その他おすすめ:キュレル/UVカット UVエッセンス、ラロッシュポゼ/UVイデア XL プロテクショントーンアップ

日焼け止めは自分に合うものに出会えるまで苦労しました。
塗るとほぼ100%肌荒れしちゃうので、あまりつけてこなかったんですが、やはり紫外線は肌にダメージを与えるので、まったくつけないのは良くないと実験に次ぐ実験を重ねて参りました。
顔・身体用で売り出されているやつを顔に塗ると絶対荒れるので、顔と身体用は別々で使用しています。顔用はオルビスリンクルブライトUVプロテクターが最強。ヒコロヒーが『ストロベリーワンピース』でこの商品を使用していると発言していたことがきっかけで試しに買ってみました。おまえ保湿クリームだろ!!??(藤波辰爾のテンションで詰問)と見紛うテクスチャーで伸びがよく、日焼け止めを塗ったあとの乾燥する感じや、ごわっとした塗り感(うまい言い方が見つからないんですが、ニュアンスで伝わってほしい)、も皆無で、おまけに白浮きもしない。自分の理想が具現化したような日焼け止めなのです。トーンアップ効果は薄いんですが、変に色づかないのも気に入ってます。身体用はまだ理想といえるものには出会ってないんですが、今のところニベアのディーププロテクトが一番良いかなという感じです。

*美容液

殿堂入り:魔女工場/ビフィダバイオームコンプレックスセラム
その他おすすめ:ミクスン/大豆エッセンス

美容液はあまり固定せずいろいろ試しているんですが、その中でリピート率が高いのは魔女工房のビフィダバイオームコンプレックスセラム。使うと肌がトーンアップする感覚があって、その実感度が一番高い。美容液はいろいろ試しすぎて収集つかないので、最近買ってよかったものをもう一つだけ挙げると、ミクスンの大豆エッセンス。納豆のように糸を引くテクスチャーが面白いなと思った一品。保湿効果はもちろんのこと、角質ケアとしても使える。肌への負担は少ないので毎日使っても問題なし。韓国の美容液は価格帯が抑えめかつ高品質なものが多いので、いろいろ試しやすくて楽しいですね。

*その他スペシャルケア

・ボディスクラブ:スキンフード/ブラックシュガースクラブ
・シートマスク:クオリティファースト/ダーマレイザー

ボディスクラブの代表格といえばSABONになるかと思うんですが、SABONは塩だから痛てえんじゃねえか?と肌荒れを懸念し、シュガースクラブで有名なスキンフードを試したところ、めちゃくちゃ良かったです。本当に肌がすべすべになるので、毎日でも使いたいくらいですが、そこはさすがに負担がかかるので1月に1回くらいのペースで我慢してます。
シートマスクはこれまで肌荒れする回数が多かったので敬遠していたんですが、クオリティファーストのマスクが評判良かったので試したところ、翌朝の肌の調子がすこぶる良くなった気がします。かなり気に入ったので2日に1回くらいのペースで使用するようになりました。

以上、私セレクトのおすすめスキンケアコスメでした。
皆様も素敵なスキンケアライフをお過ごしください。


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