食事の記録#2/フルーツポンチ

6月に仕込んだ梅シロップが先日完成を迎えた。主にサイダーにして飲んでいるのだが、いかんせんこればっかりだとさすがに飽きてしまう。なんせ2リットル分も作ってしまったので、なかなか嵩が減らない。ふと本棚に目をやると、今井真実の『ときめく梅仕事』が目に入った。そういえばフルーツポンチのレシピが載っていたっけ、と思い出してページをめくる。

今井真実の『ときめく梅仕事』は、その名の通り梅をテーマにしたレシピ本である。基本の梅仕事はもちろんのこと、完熟梅をダージリンのティーバッグとつけ込む「梅ダージリン」や、梅とパクチーとニンニクをごま油で炒めて作る調味料「梅パクチー」など、多彩なアイディアが光る。紹介されているレシピの中で私がよく作るのは「ツナ梅クリームパスタ」。生クリームをベースにしたこってりソースに塩分高めの梅干しを加えることで、味がキリッと引き締まる。濃厚ながらもさっぱりとした後味が口に広がる一品だ。

さて、フルーツポンチに話を戻そう。フルーツポンチといえば、給食の人気メニューだった。必ずといっていいほど"おかわりタイム"では争奪戦が起き、ジャンケンで負けた敗者は咽び泣く(ガチで泣くやつがいた)。客観的に見るとかなり間抜けな状況だが、当時は健闘を讃える面持ちでその戦いを見届けていたように思う。
どんな具材が入っていたのか正確には思い出せないが、みかん、パイナップル、黄桃、さくらんぼ、寒天などがメインで入っていた記憶がある。

レシピの内容を確認したあと、スーパーに向かった。青果コーナーを物色し、最初に目についたのはパイナップル。カットされたものはときどき食べるのだが、カット前の現物(という言い方は正しいのか)は買ったことがない。これどうやって切るの……?という疑問を抱えながらもとりあえずカゴに放り込む。その場で切り方について検索してみると、意外と簡単で安心した。そのほかにはキウイ(グリーンのほうが酸味が強くて好み)、りんご、グレープフルーツをチョイス。こうして役者は出揃った。

まずはシロップ液を作る。1対1の割合で梅シロップと炭酸水(ミネラルウォーターでもOK)を配合し、そこに一口大に切った各種フルーツをドボン、と投入。これで完成である。シロップを吸ったフルーツはジューシーでまろやか。口に入れるとシロップの甘みとフルーツ本来の旨みがじゅわっと広がる。梅シロップをベースにしているので、爽やかな酸味が引き立ち、甘ったるさがなくスッキリとした味わいに仕上がるのだ。

フルーツポンチの作り方を覚えてからというもの、あれだけ持て余していた梅シロップは残り1/4にまで減った。終わりが見えて嬉しい反面、時間をかけて作ったものがなくなっていくのは、少し寂しい気持ちにもなる。

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