早川隆久オーストラリアウィンターリーグざっくり振り返り【鷲の希望】
皆さんお疲れ様です、イーグルスファンのしげりんねです。
というわけで、今回はオーストラリアウィンターリーグ(以下ABL)のPerth Heatに派遣されていた早川隆久選手の投球をざっくり振り返ります。
※ヘッダー画像はABL公式Xアカウント様から引用させていただきました
混迷のオフに差し込む、眩き救いの光!
この輝きを鷲ファンで分かち合おう!
各試合ごとの投球内容、簡単な解説に加え、ABL公式の試合データや動画へのリンクも掲載しております。
動画の視聴方法や無料会員登録のやり方については、「ウィンターリーグ情報」様のnoteをぜひご覧ください。
1試合目 12/2 VS CanberraCavalry(ビジター)
5失点。ダメじゃん。
と思った人が多いと思いますが、一概にそうとは言えません。
まず、この試合は前日の試合の続きで始まったものであり、その後も悪天候により何度も試合時間が変更になりました。
加えて、異国での始めての登板であったこと。失点5に対して自責2が示す通り、野手のまずい守備も絡んでの失点であること。
こういった点に加えてこの後の3試合での好投を考えれば、早川が通用しなかったとはいえないでしょう。
初回を除けば5回4安打1失点10奪三振であり、すぐに修正し立ち直り奪三振を量産する投球ができており、試合終了まで投げ抜きました。
味方がすぐに大逆転してくれたため、その待ち時間を利用して冷静になれたのかもしれません。
試合動画ですが、開始時間変更の影響で早川は動画時間の1時間58分ごろから映っています。スクロールしてご覧ください。
試合スコア→https://theabl.com.au/game/759066
試合動画→https://plus.baseball.com.au/en-int/video/perth-heat-at-canberra-cavalry-resumed-game-1/1677834
奪三振ハイライト↓
2試合目 12/9 VS Sydney Blue Sox(ホーム)
完封です。素晴らしい。
英語放送では、直球・カーブ・スライダーの投げ分けに加え、2度のピンチを切り抜ける、投ゴロ併殺や一塁カバーなどのPFP(フィールディング)も賞賛されていました。
7回制とはいえ、異国での完封勝利は素晴らしいもの。この週の"Pitcher of the Round"(週間MVP投手に相当)も受賞しています。
試合スコア→https://theabl.com.au/game/759026
試合動画→https://streamer.com.au/league/ABL/match/2474
投球ハイライト↓
3試合目 12/16 VS Brisbane Bandits(ホーム)
圧巻の7回13奪三振で完投勝利。緩急を活かした投球でまともに相手に勝負をさせていませんでした。
ただ、最終回に2アウトをとってから四球→追い込んでから甘くなった球を長打にされて失点というのは詰めの甘さ、勿体なさを感じる内容ではありましたが…
奪三振マシーンぶりが評価され、2週連続で"Pitcher of the Round"を受賞。"Japan's top prospects"の真価を示したと評価されています。
試合スコア→https://perthheat.com.au/game/759022
試合動画→https://streamer.com.au/league/ABL/match/2485
※現在はなぜか映像が見られなくなっています。
前半戦ベストナインも受賞
ABLは放送局とライターが選ぶ前半戦ベストナインを発表。
早川は先発投手3傑に選ばれました。
「宣伝通りの活躍」「33 punch outs=33奪三振」と評されています。早川は途中からABLに合流して登板数が他選手よりも少ない中で、この奪三振数はまさに驚異的、鮮烈な印象を与えたと言ってよいでしょう。
4試合目 12/22 VS Adelaide Giants(ビジター)
実は私はひそかに心配していました。
相手は首位に立つ強打のチーム。しかもビジター球場。
注目されている中で自分の投球ができるかどうかが、早川のオーストラリア派遣の成否を決める。苦しい内容でも、なんとか粘ってくれれば。そう思っていました。
やってくれたよこの男。
なにこれ。一番打てるチーム相手に一番いい投球してるじゃん。
初回3者連続三振から始まり、自分より大きい相手を見下ろすかのような投球で空振り量産。
加えて、フライアウトが1つしかなくまともにバットに当てることすら許さない、圧倒的としか言いようのない投球でした。
6回一死までパーフェクト。1度しか出塁を許さない準完全試合。
まさに「試合を支配する」「首位の相手を完全に封じ込める」投球。
この試合での早川は、間違いなく「エース」でした。
まだ発表されていませんが、これだけの投球をしてるんです、確実に3週連続の"Pitcher of the Round"を獲得できるでしょう。これで獲得できなかったら発狂ものだわ。
※12/26追記:3週連続の“Pitcher of the Round” 獲得しました。
まさにABLに「旋風を巻き起こした」投球でした
試合スコア→https://theabl.com.au/game/759100
試合映像
→https://plus.baseball.com.au/en-int/video/perth-heat-at-adelaide-giants/1674775
試合映像(日本語実況)→https://plus.baseball.com.au/en-int/playerpage/1683655
ハイライト↓
ABLでの投球をどう捉えるべきか
ABLでの早川の無双投球を、手放しに賞賛するのは危険ではないかとお思いになる方もいらっしゃるかと思います。
恐らく以下のような理由ではないでしょうか。
予想される以下のような意見について、野球素人かつデータの少ない中ではありますが私なりの考えを述べてみたいと思います。
①について。
確かに早川の先発した試合はダブルヘッダー第1試合(=7回制)が多く、「完封」「準完全試合」も7イニングにおけるものです。
しかし、投手分業化の進む現代野球において、先発投手は7イニングも投げれば十分に仕事をしたと評価できるわけですから、十分じゃないでしょうか。また、2試合目以降はHQSにまとめていることを考えれば、投げようと思えば8回以降もいける、と感じさせる内容でした。9回制の試合かつ球数制限もなければ、少なくとも8イニング目は投げたでしょう。
早川選手本人も「7イニングを投げ切ってほしい」というベンチの期待に応えようと意識しているようです。
②について。
確かに、ABLのレベルは日本と比べれば残念ながら低いと言わざるを得ない部分はあると思います。派遣されるという情報が出た際も、「やることあるの?」「行くことに意味はあるのか?」という意見も見受けられました。
結果的に無双状態だったわけですが、来期の早川の成績を予想するならば今回の成績からかなり差し引いて考えなければならないのは私も同意します。
しかし、逆に早川選手が得たものも多いでしょう。
本人がインタビューでも語っているように、彼は夏場に離脱が多い選手です。夏のオーストラリアで高温環境での登板に慣れるというのは理にかなっているものです。
加えて、彼は昨年秋にクリーニング手術を受けたり、今期離脱があったりで投げられなかった分の埋め合わせを4試合でできたことも大きいと思います。
(出術明けなんだから休んでくれ…という意見も分かりますが。)
また、引用している彼のインタビューにもありますが、異国での経験や新たな調整法・配球にも新境地が生まれれば。
侍ジャパンからそうですが、早川選手は直球とチェンジアップの緩急で三振を奪うことに取り組んでいるのではないかと素人ながら考えております。ABLの試合でも、緩急を活かして空振りを奪う場面が非常に多く見られました。三振が増えても四死球は非常に少ないです。
長々と書いてきましたが、要するに「ABLのレベルは差し引いて考えなければならないのはそうだが、緩急の強化や新たな経験を得ただけでも十分価値がある」と私は思ってます。
「鷲の左エース」、そして「4代目鷲のエース」へ。
https://x.com/ABL/status/1739753115350393243?s=20
イーグルスファンに明るい話題を提供してくれた早川隆久選手。
歴代のイーグルスの左腕で2ケタ勝利を達成した選手はいません。新時代を迎えるイーグルスにおいて、早川選手にはエースとして立ってもらわねば!というのは全鷲ファンの意見が一致するところでしょう。
2024シーズンに向けて、それに期待できる要素は十分見せてくれたのではないでしょうか。
長い記事をここまでご覧いただき、ありがとうございます。
不肖しげりんね、note初心者のためどこまで皆様にお伝えすることができているやら、というところですが、いかがだったでしょうか…
混迷のオフに苦しむイーグルスファンに一人でも早川選手の好投が伝わりますように、ぜひ拡散していただければ幸いでございます。
頑張れ、早川隆久選手!
※最後に、今回引用させていただきましたABL JAPAN様の早川のインタビューへのリンクを再度置かせていただきます。
ABLへ挑戦した経緯や現地での話などが盛り込まれた非常に良いインタビュー記事ですのでぜひご覧ください。
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