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2.21 日刊新聞創刊の日

私の目覚めは夜明け前
午前三時を過ぎたなら
ミルクティー片手に窓辺に座る
きっと知られたくない秘密
気づいているのは私だけ

ミルクティーの湯気が
まだ眠気の覚めない瞼を刺激する夜
午前三時はまだ真夜中の私
夜空には薄く雲がかかって
月も星も見えはしない
私はただじっと息を潜めてそこにいる
真夜中の観察者

遠くからバイクの音が近づいてくる
不等間隔に朝が来る音がする
カーテンの隙間からそっと
あなたが朝を置いていくのを眺める
同じクラスのあの人が
私の家の銀色のポストに
私に朝を運んでくる

ミルクティー色の髪が窓際の席できれいに光るのを思い出して
私はそっと頬を紅くした

彼はいつも通り急ぎ足でバイクへと戻り
残りの家に朝を届けに出発した
私は彼の姿が見えなくなるまで見送ると
また布団に入って眠りにつく
まだ自分の温もりが残る布団をかぶれば
ほんのりとミルクティーの香りがして
私はまた彼のきれいに光る髪を思い出して
紅茶の香りの切なさを
丸まった体の胸の中でとろけさせていた

2.21 日刊新聞創刊の日
#小説 #詩 #日刊新聞創刊の日 #JAM365 #日めくりノベル #ミルクティー

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