月に住みたい、と彼女は言った。 ぼくは、彼女のことがべったりとした黒いかげに見えるようになった。 美しいもの、光っているもの。 欲望のままに、人はそれを手に入れ…
一羽の白い鳩が飛んだのを見て、私は新しい何かを始めようと思った。 一年間、三百六十五日。 いつも毎日の中に、どこか落ち着いて考え事の出来る時間を作ろうと思った。…
大切な人を失って、何もやる気が起きない彼女を僕は、優しく抱きしめてあげるべきなのだと思う。 頭では分かっているのに、行動に移せないのは僕の本当に悪い癖だ。 …
白玉は怒っていたわけではない。 ただ、世の中であまりにもてはやされている気がしてならないタピオカというものを知りたかったのだ。 白玉はF県の山の中にひっそり…
花の色を見て驚いたことがある。 自然界にこんな色があるなんて不思議だと。 その色を携帯電話におさめたけれど、同じ色は再現できなかった。 帰り道の途中。 …