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『自由からの逃走』猫町読書会参加する奴

こんにちは、7月に突入して雨が大変なことになっていて、しかも湿気にも襲われている中、まだまだエアコンなしで奮闘しているNagasenaです。

以前、初めて読書会というものに参加してきたという記事を上げましたが、それに味をしめてまた再び参加してきました。

今回も、猫町倶楽部が主催している読書会に参加してきました。

いままでは名古屋や東京などの都市でオフライン開催されていたそうですが、コロナ禍の影響でオンライン読書会です。

しかし、これはこれで良いこともあるんですね。というのも、今現在私は名古屋在住であるのですが、今回主催したのは東京支部だったので本来であれば東京に行かないといけないんですが、こうしてオンラインを通して家から参加することが出来ました。

参加者の中には、シンガポールから参加(!)している人もいました。


課題本

社会心理学者エーリヒ・フロムの名著『自由からの逃走』です。
現代的特有の「自由」の問題を主題として、20世紀の野蛮の一つであるところの「ファシズム」がいかにして現れたのかを、社会学的、経済学的、特に心理学的観点から分析したのがこの書の主な内容です。

普通「自由」といえば、私たちが求めるものであったり、或いは守るものだったりします。現在の香港の国安法問題を見ればわかると思います。しかし、著者フロムは現代ではむしろ「自由」から逃げることを人々は選んでいるといいます。

つまり、資本主義の発達で人々は中世的な束縛からは解放されて「個人」になった一方で、よって立つ場所が失われて不安や孤独に陥ることになります。そしてその孤独や不安に耐えかねて人は自由を棄てて服従の道へと進んでいくというのです。それがナチズムの誕生の心理的土台であり、しかも、読んでて思うのは、現在2020年もそれはあり続けていると思います。

この書は思想書・哲学書の類であるにもかかわらず、フロムは丁寧に章ごとに内容の要約を挿入していて、読者は置いてけぼりにならずに読み進めていくことができます。

読書会

参加者層は見たところ30代~60代の方が多く参加されていて、比較的年齢層は高かったです。前回の『夜と霧』はそうでもなく、若い層も多かったんですが・・・。

私が参加した小グループでは男性3名女性3名の6名で行われました。

外国で小学校教諭をしている方や、会社の人事担当の方、在日韓国の方など様々な出自の人が参加されていて、同じ本を読んでいるはずなのに、それぞれ当然ですが関心が異なるために注目するキーワードが違うため非常に面白い話し合いになりました。

例えば「人間の支配・従属」というキーワードに注目する人もいれば、「自発性」や「自由意志」、「サディズム・マゾヒズム」などにも。

基本的に、こういう読書会に参加している人は多かれ少なかれ自らの問題を意識している人が多く、そういう話が聞けるというのもなかなか面白いですね。

P.S.参加者の中に、小島秀夫監督に顔も声もめちゃくちゃ似ている人がいて、少し癒されました。

では、おやすみなさい。良い夢を。

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