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作った服に袖を通して、気付いたこと

デニムワンピースを作った。

襟と袖のステッチがポイント。肩のパフスリーブも袖のフリルも、いつもよりデザインをこだわってみた。このままでもシルエットが綺麗だが、メリハリをつけたい日は市販のレザーベルトを締めて同色の小物を合わせると色合いがしまって可愛いだろう。久々に計算しながら型紙を引いた甲斐のある 良い仕上がりだ。

特に襟はこだわった。セーラー服、それは私が小学生から高校2年生までの11年間着た、大切な制服。先生が私のセーラー服姿を見て、「あなたがたの大きな襟は、夢と責任のようね」とおっしゃったのを思い出し、今一度その襟を身に付けたくなった。大人でも着やすいデザインにするため、前はスタンダード(正式名称忘れた…)にした。

また、余った布で愛犬につけ襟も作った。お揃いでお散歩やカフェに出かけてみたい。

このワンピースに袖を通したときに自分自身の変化と感情にハッとしたから、大学卒業後から服作りを通じた自分の姿についてnoteに記録する。

▼一年前に同じテーマで書いた記事はこちら

私は祖母と母の影響で物心ついた頃から裁縫を始めたが、実は今まで「服を作って満足する」か「誰かの為に作る」かの2択で、自分自分の服をほとんど作らなかった。人に喜んでもらえればそれでいいし、何より自身の容姿が大嫌いで向き合いたくなかったからだ。

自分自身を好きになりたくて試行錯誤し、1年弱ほど前に克服して姿見がちゃんと見れるようになった。服作りもそのひとつで、例え自分の為の服作りだとしても作る楽しさの方が上回り、自分が作った服を着る事で自分が好きになる。創作意欲で問題が解決できる、良いサイクルができていた。

前回記事を書いた時はまだ自信をつけ始めた頃だったので【自信がない時、服を縫おう】と考えていたが、その考えも今ではなくなってきていて、単純に「作りたいから作る」「サイズが合う可愛い服を着たい」「何となく可愛い布買ったから作ろう」という純粋な気持ちだけで製作している。

この気持ちになってからは服のクオリティーも高くなった。裁縫は細部まで丁寧に慎重に集中しなければならないので、精神面の安定は作品の精度に大きく関係していると半年以上前の作品を見て思う。

今回でいうと襟や袖の部分のステッチとステッチの幅が均等なところに「安定」を感じる。(上糸と下糸のバランスがあまり良くないが)

現在、作った服を着て鏡の前でポーズを決めて超可愛いな〜と自惚れるくらい自己愛に満ち溢れている。それはそれで問題ありそうだが、自分を好きになったら人間関係・仕事・家族との関わりなど生活の全てうまくいくようになったのでOKとしよう。自分を大切にすることは、自分と関わる人も大切にできるようだ。

ずっと否定してた自分自身をいつの間にか認めてあげられたことに、このワンピースに袖を通して気付いた。だらしなく不安定だった頃に「人は簡単に変われない」「変わろうなんて口だけ」と言われたこともあったが、なんだ。姿見が見れるようになった一年前から、今までよりも大きく変われているのではないか。作った服を通じて様々なものを見れるようになって、大切にできるようになった。私だけは私の成長に気づいて少しは誉めたっていいんじゃないか。このワンピースを着た私がその証明だ。せっかく可愛い服を作ったのにぐしゃぐしゃに泣いた。今日くらいは良いよね。

また、大学卒業頃に激痩せしてしまい子供服と同じサイズで型紙を引いていたが、今回は成人女性の一般的なサイズで作ることができた。心も体も壊しにくい体重・体型になれたことを服のサイズで実感できたことが嬉しかった。

服はただ着るだけではなく体型の長所を活かす為に用いても良いと思うので、ガンガン作って着ていこうと思う。服は私にとって武器でも防具でもあるし、時に安らぎを与えてくれる自己表現だ。私は服作りを通じてまだ知らない自分に出会えるはずだし、なりたい自分にもなれるはず。服は私の可能性を見つけ出してくれる。どこへでも連れて行ってくれる。

秋はこのワンピースを着て出かけよう。素敵なご飯を食べて素敵な景色を見て、この服と思い出に残る体験を共有しよう。

いってらっしゃい、私。

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