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間隔反復アルゴリズム

フランスにおける内乱 作者:カール・マルクス 1871年 

は、今日お休みして、「記憶」のフラッシュカードについての記事です。日頃、この記事を書くにしても過去(きのう)の事があって、その延長が今日ですから、確かな記憶がないと、それは出来ません。

判りやすいのが「認知症」ですが、すべてを忘れてしまうと、それは人間機能がないと判断していいでしょう。

私の親も経験がありますが、記憶全部が消去ではない。あったりなかったりしているので、1~10の、どこか、という話しです。

今回の話は、その人間の記憶装置が、どのように機能しているか、という分析です。それが「トランプの神経衰弱」ゲームで、隠したカードをめくりながら、合ったものの点数で、競うというゲームです。ほとんどの人は経験しているでしよう。
たんなるゲームですから、たいして意味のない話しですが、その合格率が100%、なおかつそれが犬、またチンパンジーだつたら、話が違ってきます。

そうした動物実験は、テレビなどでよくやっているので、これも特別すごい、という話しでもない。

じゃ人間だったらどうなんだ、という例を二つ挙げましょう。

1.才能はモーツァルト プロも涙した16歳の音色「加藤旭」
加藤旭は脳腫瘍との闘病の末、16年5月に帰らぬ人となった。16歳だった。3歳で音符を並べはじめ、生涯にピアノ曲や交響曲など約500曲を残した。
PRESIDENT Online 小倉 孝保毎日新聞論説委員

2.モーツァルは12歳のおりローマにおもむいた。
ローマの聖ペテロ大聖堂には写譜したり、外への持ち出しを禁じられていた「ミゼレーレ」という秘曲があった。モーツァルトは秘曲「ミゼレーレ」を聖ペテロ大聖堂で聴く機会があった。宿に帰ってモーツァルトは「ミゼレーレ」全曲を譜面に写してしまった。以後「ミゼレーレ」は秘曲ではなくなった。モーツァルト恐るべしというはなしです。いま手持ちのCDでは11分12秒の曲です。なんという記憶力でしょう。


それ以外では、インターネット黎明期の若き創業者たちのプログラム秘話で、何万通りの逸話があるでしょう。

それらは何かといったらただ一つの共通項「記憶」だったのです。ネットをやっていれば誰も経験しているアノ、検索であり、昨日の記事が思い出せなくて四苦八苦し、最悪諦めるという選択です。ですから、それを防ぐのに、いろいろなタイプのアプリがある。また、それが多すぎて忘れてしまうという記憶の記憶。別の見方であればギフテッドと称して、怖いもの見たさ、で記事にしている場合が多いです。
逆説論でいえば、記憶劣化であれば学校の成績は下位でバカという代名詞が付く(私の体験談)。

そんなときにイヌ、猿の記憶フラッシュカードが備わっていたら敵なしです。また、その感覚反復能力を備えたもの同士が戦ってもゲームにならないことは自明で、そのミッシングリンクを探さなければいけない。

それに最も近いのがAIのバージョンChatGPTとして挙げられますが、人間の欠落した(語彙の不足)記憶を補うのに、それをグレードアップしているのが、いま最大の関心事でしょう。

ですから究極的には、その動物的感覚反復能力を人間が持っていれば、そのフラッシュカードに勝てることを意味します。それには市場が飽和してしまえば無意味ですから、先手必勝が決め手です。

アバウトな見方の意見ですがアメリカだったら、すでにできていると思われます。
この先、世界経済のトレンド不透明のなか、考いあぐねているヒマなどありませんから、日和見している国は亡国の憂いです。
それが何処かといったら、そんなことは誰だって? 常識的に知っているでしょう。


2023年07月07日記事

フラッシュカード「映像記憶」の行方

フラッシュカードの背景にある「映像記憶」とは?

星みつる式サイト https://www.star-ship.co.jp/flash_kids/about.html
1967年に創設された京都大学霊長類研究所の研究でチンパンジーの幼獣にも「映像記憶」の能力があり、その記憶力は、ヒトの成人を上回ると考えられました。
「映像記憶」とは、文字や映像を写真のように捉えられる能力を意味しています。子どもがトランプの「神経衰弱」というゲームで、同じ数のカードを次々に言い当てられるのも、テンポの速いテレビCMをすぐに覚えてしまうのも「映像記憶」の能力かもしれません。

star-ship.co


京都大学霊長類研究所の研究では、「映像記憶」は、ヒトの幼児に普通に見られ、思春期以前に消えるとされています。このことから「映像記憶」は、原始的な能力で、ヒトが成長しながら言語習得が行われていくことで、自然界の事象を抽象的に把握する能力が向上したために「映像記憶」の能力が衰えるのではないかと考えられました。
しかし、成人後も「映像記憶」の能力を保ち続ける人々が存在します。映像記憶の保持者は、電車の中から一瞬見えた風景を後から緻密にスケッチしたり、本や新聞を紙面ごと写真を撮るように瞬時に記憶できるといった能力があります。
日本人では、画家の山下清や作家の谷崎潤一郎などに「映像記憶」がみられたという記録が残されています。このような時代背景を受けて、幼児期の脳に備わっている「映像記憶」の能力を早期教育にも活かそうと、幼児教室や塾などが主体となって広まっていった教材の1つがフラッシュカードなのです。
※注1:小谷野敦『谷崎潤一郎伝 堂々たる人生』p.389(中央公論新社、2006年)※注2:三島由紀夫「社会料理三島亭 携帯用食品『カメラの効用』」(婦人倶楽部 1960年8月号)


間隔反復 フラッシュカード 研究および応用 (ウイキペディア)
この原理は多くの分野において有効であるが、間隔反復は、学習者が非常に多くの事柄を長期に記憶しなければならない分野に適用されることが多い。

第二言語習得の分野での語彙の習得に、この手法が適しているのは、この分野が対象とするいわゆる開いたクラスの単語数が膨大であるからである。

間隔反復を利用して、学習効果を上げるという概念を提唱した初期のものの一つは、C. A. Maceが1932年に書いた”Psychology of Study”がある。

1939年には、 米国のH. F. Spitzerがアイオワ州の6年生を対象に、科学知識の習得に間隔反復の効果を実験している。
Spitzerの実験は、3600人のアイオワ州の生徒に対して、間隔反復が効果があることを実証した。これらの初期の成果は何故か注目されず、 1960年代に、Melton and Landauer & Bjork,などの認知心理学者が、反復のタイミングの操作により記憶喚起を改善する試みをするまで、目立った動きは無かった。同時期に、”Pimsleur language courses”が、間隔反復の語学学習への実際的応用の草分けとなった。また、1973年には、Sebastian Leitnerが、単語帳をベースとした汎用の間隔反復学習システムとして、"ライトナーシステム"を開発した。

当時は、間隔反復学習は主に単語帳として実装された。しかし、実用的な学習には数千の単語カードが必要であるため、管理、処理は労力を要した。

1980年代となり、パーソナルコンピュータの利用が広まると、間隔反復は、コンピュータ支援言語学習ソフトウェアをベースとしたソリューションとして実現されるようになる。これらのソフトウェアの目標は、学習者のパフォーマンスに合わせて間隔反復を最適化することであった。

ユーザが所定の目標(例えば、一定の期間に、教材の90%を正しく解答できる。)を達成できるように、ソフトウェアが反復間隔や学習量を調節するというものである。また、難しい内容は易しい内容よりも頻繁に出題する。ここで、難しさとは、ユーザが正しい解答が出来たかどうかで判断する。
間隔反復をスケジュールするアルゴリズムには幾つかの種類がある。:ニューラルネットワークをベースにしたものライトナーシステム: 5段階、もしくは

任意の段階
SM-familyのアルゴリズム (SuperMemo(英語版)):Piotr Woźniak が考案した手法で SM-0 (紙とペンで実装し1985年に発表)から SM-18 (2019年5月) まである。

ある研究によれば、復習間隔の厳密な長さは、アルゴリズムの効果に大きな影響はないとする。 一方で、間隔は(拡大間隔と固定間隔との対比も含めて)重要であるとする研究もあり、現時点では、実験データも含めて結論に至っていない。
また、最初の学習は短い間隔で学習することが効果があるという実験もあり、最初に記憶するまでの反復学習はその後のスケジュールアルゴリズムに反映しないソフトウェアもある。また、記憶障害のリハビリテーションにおいても、本方法が効果的であることが指摘されている。

ソフトウェア多くの間隔反復ソフトウェア(spaced repetition software; SRS)は、単語帳を用いる学習形態をモデルとしている。記憶する項目は、問題と解答のペアとして保存される。そのペアが学習される時、問題部分が画面に表示され、ユーザは解答を促される。
解答した後、ユーザは自ら解答を表示して、プログラムに問題の難易度を主観的に告げる。プログラムは、その間隔反復アルゴリズムによって、そのペアの次の学習時期を決定する。
もし、このようなソフトウェアが無いと、ユーザは単語帳のスケジュール管理を手で行わなければならず、ライトナーシステムのような単純化したものを利用するしか方法はなかった。これらのソフトウェアの多くには以下のような機能が追加されていることが多い:図ライトナーシステムは、正しく答えられたカードは次の(参照頻度が少ない)箱に移し、間違えたカードは、最初の(最も参照頻度が多い)箱に戻す。
資料ウイキペディア


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