好きなものは制作者に近いところで触れたほうが良いと思った
六本木で開催されている「冨樫義博展」
一回目はひとりでゆっくり、友人を誘ってもう一回行ってきました。
幽遊白書、レベルE、HUNTER×HUNTER…
もともと原画展や展覧会が好きで色々と行くのですが、今回は子供の頃から何十回と読んで、台詞まで覚えている漫画たちの原画。
そんな見慣れたページばかりなはずでしたが...原画は、全くの別物でした。
原画を見てはじめて気がつく、重ねて描かれている髪の毛の流れ。手書きで塗りつぶされた暗い背景の濃淡。繊細なシーンの筆の細さ。迫力のシーンのタッチの力強さ。気の遠くなるような書き込みの緻密さ...
印刷された漫画ではわからなかった、描いているときのペンの動きが想像できて「ああ、紙の上に人の手がインクで書いているんだ...」というあたりまえのことを感じました。
「話おもしろい!」「絵がかっこいい!」とかそんなレベルではなくて、もう全てのページが芸術品でした。何もない白紙の原稿用紙の上に世界を生み出す、この熱量で1枚1枚描いているのかと…見開きだったり大ゴマの「決め」のシーンはもちろんですが、何気ないコマもすごいんです。
もし全部を原画で読んだらどれだけすごいんだろう。作者の表現したいものの一部に触れただけでこの衝撃だったら、パワーに耐えられなくてまともに読めないかもしれません。
原画を見て思うのは、スキャンされて、印刷されることで削られてしまっている情報が相当あるんだなと。
生のコンサートと配信、生ピアノと電子ピアノ、現地で見るスポーツの試合とテレビ中継…やはり発信元に実際に近づくほどに感じるパワーは凄まじいものがあります。
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