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弾き手にピアノの「あら探し」を手伝わせないようにしたい

ピアノ調律の作業って、そのピアノのポテンシャルを引き出すことをゴールにしているわけで、言うなればピアノの「あら探し」をする仕事とも言えます。

〈いま何がこのピアノの100%を邪魔しているのか?〉

大きな原因を改善したら中くらいの問題点を潰して、さらに細かいところまで潜っていき...重箱の隅をつつくように、調律師は常に悪いところを血眼になって探しています。

なので以前は調律をはじめる時にお客さまには「なにか気になるところはありますか?」と聞いていました。


調律のいちばんの目的を大事にしたい

でもこれって僕が目標としている「ピアノのメンテナンスでお客さまの生活を豊かにする」と言うコンセプトからちょっと外れるよな、という違和感を感じていました。

お客さまにもピアノのあら探しを手伝わせているようで、なんかピアノが楽しくなくなってしまわないかな?と。

ただ、もうひとつ大切にしている「持ち主と調律師の協力」という観点で見ると、本当は弾き手にもピアノに目を光らせて向き合ってもらいたいのも事実。ふだん弾いてる方の生の情報はものすごく大事です。

弾き手にピアノと深く向き合ってもらうのが良いのか悪いのか。解像度高く見ることが必ずしも良いとは限らないので、そのバランスは結構悩みます。

そのピアノの良いところも聞きたい

なので最近は定期調律のお客さまには「ピアノの調子はどうでしたか?」と聞くようにしています。

もちろん事前に気になることがあればどんどん伝えて頂いて、できればそのピアノの好きなところや良いところも教えてもらえるとメンテナンスもより良くなっていきそうだなと思ってます。

理想を言えば、ピアノのことを深く知ってもらった上でさらに素直に楽しんで欲しいと言う、ワガママな願望があります。

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