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スタッフ部門が企業ブランディングの核となる

通常の採用枠と何が異なるのか?

ユニリーバ・ジャパンとヤフーが続けて、雇用における新しい副業のあり方を提示した。パラレルワーカーを募集するというものだ。

ヤフーは「ギグパートナー募集」と称し、オンラインを前提とした勤務で業務委託の形態をとる。よって募集テーマが明示されており、正社員・契約社員は通常の採用枠の扱いだ。

これ、今までのアウトソーシングと何が違うのか?

結局のところ、通常の雇用は継続していて、業務委託もこれに限らず発注しているだろう。しかし、リモートワークや副業など個人でのパラレルワークが増える中、とても目を引くプロモーションだ。

個人レベルのスモールな業務委託契約で有用なリソースを外部から調達し、かつヤフーの働き方における社会への強いメッセージ、ひいてはコーポレートブランディングにつながっている。

人事戦略がブランディングとして機能している。

企業理念との強力な連動

ユニリーバ ・ジャパンは「WAAP」(Work from Anywhere & Anytime with Parallel careers)と称して、どこでも、いつでも、副業ができる環境を提供し、パラレルキャリアを推奨する企業メッセージを織り込んでいる。

しかも、コロナで来客減少に苦しみ人財の維持に苦慮している会社との連携も視野に入れ、出向を受け入れるスキームも有する。

また、企業研修をかねてユニリーバ ・ジャパンに出向させる。さらに学生向けにオンラインでインターンができる機会提供をするなど、今の社会ニーズに応える様々なプログラムを用意している。

ダイバーシティ&インクルージョンはユニリーバのビジネスの根幹です。ユニリーバ・ジャパンでは、多様な人材が自分らしくいきいきと働き、チームとして最大限能力を発揮することこそが成長の基盤という考え(出典元:ユニリーバ・ジャパン、「WAAP」で副業人材募集を開始)

そして、企業理念としっかり連動している。

当然ながら、今の時代においてこうした取り組みの評価は高いはずだ。結果的に企業イメージの向上が図られ、企業ブランディングにつながっている、人事戦略が、だ

ダイバーシティ&インクルージョンは喫緊の課題ではない?

多くの企業にとって、売上獲得の事業運営へのテコ入れが喫緊の課題だろう。多様な働き方に対応するのは、”スタッフ部門において粛々と対応いただければよし” 加えて、”オペレーションコストの抑制の観点から、余計なことはして欲しくない”というのが本音ではないだろうか。

しかし、今、ダイバーシティ&インクルージョンが経営に貢献しうるものとして大きな意味を持ち始めている。

ヤフー、ユニリーバ ・ジャパンともに、こうした人事の取り組みは、スタッフ部門が粛々と業務遂行するものであり、これが今まで会社の取り組みとして大きく発表されることはなかった。なにかと社内からは、”儲けているのは私たち事業部などプロフィットセンター” ”面倒なことはせず、粛々と業務を回してくればよい” などの固定観念も多少なりともあったのではないか。

スタッフ部門が企業ブランディングの核になる時代

これからも続く少子高齢化、そして就労人口の減少も着実に進んでいる。安定した成長のためには、いかにして有能な人財を獲得できるかである。

Step1 多様な働き方を積極的にうけいれる人事・労務戦略
Step2 人財の可能性を大切にする企業ブランディングの拡散 
Step3 優秀な人財の獲得
Step4 細切れの時間でしか働くことができない優秀な人財の発掘
Step5 企業の永続的な繁栄

その企業の商品、サービス等から想起される企業イメージではなく(もちろんそれに加えて)、人事戦略が優秀な人財を獲得する企業ブランディング、ひいては経営課題につながる時代が訪れている。


*トップ画像に掲載しているのは 障がいのある人とデザイン学生によるプロジェクト「シブヤフォント」の「万華鏡−音楽−」というパターンです。データの売上の一部が障がい者支援施設に還元されます。ポストカード、チラシの柄などにご活用ください。


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