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梅.2 九州豪雨の一夜、排水口で耐えた命(後編)

前編

強い雨の来週により、断念せざる得なかった排水口からの仔猫の救出

とにかく、勝負は、交通量が少なくなる明日の早朝しか無いと床に入ったが、雨脚は強くなるばかり、

車が跳ねる水しぶきを浴びているのだろうか?

耐えられるのだろうか?

流されないだろうか?

普通は4匹生む、1匹だけだろうか?

と頭の中は堂々巡りするばかり。

でも、ここは早起きすれば、それだけ時間的な余裕が生まれると吹っ切り、とにかく早寝早起きに専念した。

実は、私は毎朝 5時には、家の猫に「腹減った」と無理やり起こされる。

この日もちゃんと起こしてくれた。雨もやんでいる。

即、起きて、当家の Catsらにキャットフードを与え、更に一掴みして、現場に向かった。

昨日の同じく、歩道側から身を屈めて iphoneで排水口を撮影した。

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生きていてくれた。

でも、目の損傷は、更に酷くなり、この 8時間程の過酷な状況を物語っていた。

また、力及ばず耐えさせて申し訳なかったとの自責の念を持った。

早速、キャットフードを排水口の端に置き反応を見た。

早朝の国道、交通量は少ないとは言え、猛スピードで迫って来る。

車列の途切れを見ながら手を伸ばすが、やはり狭い孔で仔猫を掴むのは難しい。

何か方法は無いかと、歩道に立ち尽くす。

早朝 5時とは言え、ジョギングする方や早出の方が、怪訝そうな視線を向け通り過ぎて行く。

諦めるな、何かあるはずだ、考えろ、考えろ・・・

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仔猫が入る排水口の上の縁石、よく見ると亀裂が入りズレている。

まさかと、最初は縁石を外そうしたが、それは出来なかった。

しかし、ここで閃いた!

仔猫の脇で邪魔している石は除去できるかもしれない。

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案の定、排水口を狭めていた石は、次から次と取り除く事が出来た。

それはまるで、暗澹たる気持ちの中に一筋の光が差し込んだ様だった。

行ける!この時初めて救えると確信を持った。

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邪魔な石を取り除き、ぽっかりと開いた空間の真ん中に仔猫。容易に掴むことが出来た。

当然、仔猫は襲われたと思い抵抗して来るが、体力が衰弱しているのが幸いして大した抵抗にはならず、直ぐにキャリーバッグに入れる事が出来た。

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救い出す事に成功し、心は高揚感に満たされた。

急ぎ、国道を挟み対岸の自宅に帰るため、100m程先の横断歩道に急いだ。

しかし、その横断歩道の10m程手前の道路脇に、キャリーバッグに入っている仔猫、そっくりな子の亡骸があった。

やはり、豪雨に流されたのは 1匹だけでは無かったのだ。

もっと視野を広く向けるべきだった。

手を合わせ、力不足を詫びるしかなかった。

歓喜は半分になった。

しかし私は、スーパマンでもなく、アラブの大富豪でもない。

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現状全てを助ける事は出来ない、やれる範疇で最善を尽くすだけだ。

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保護猫の食費・治療費に使用させていただきます。