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新入社員に向けた仕事の話

そもそも仕事とはどうやって生まれたのか?
これから何十年と続く人生の、その大半を費やす事になるその仕事とは、どのようなものなのかを考える事で、社会人は、仕事をしている人とは、一体どんな人なのかを考えてみたいと思います。

最初に、仕事とは「お金を稼ぐ事ではない」と私は考えます。
確かにお金を稼ぐ事は大切ですが、それがすぐさま仕事の価値に直結している訳ではないという事です。
むしろそれよりもずっと前、まだお金というものが発明されるずっと以前から、仕事はあったのです。

例えばお金というものが無い昔、とある場所に魚を獲るのが上手い人がいたとして、その一方で、近所に木の実を採るのが上手い人がいて、お互いその逆は苦手なのだけれども、でも豊かな食生活を送りたいので魚も木の実も食べたい。それもできればおいしいやつを食べたい。
じゃあ俺は得意な魚獲りをいつもより多めにしてくるから、あんたが得意な木の実採りをいつもより多めにしてきてよと。
木の実をこのくらいの量貰えるのなら、それと魚1匹とで交換しましょうか・・・と、彼らが考え付いたとします。
そして実際に魚と木の実が手渡しで交換されたその瞬間、仕事は発明されたのだと思います。

つまり登場した2人の人間関係に仕事が絡む事で、本来なら自分自身で得意な魚獲りと苦手な木の実採りと両方をしなければいけないところを、自分は得意な魚獲りに集中し、自分では食べきれない程に獲った魚を木の実と交換する事で、苦手な木の実採りは得意な誰かにお任せできて、色々な食べ物を安定的に、しかも自分で採るより高品質なものを手に入れる事ができるという訳です。

分かりますでしょうか?
本来的な意味では、仕事とお金は関係ないのです。
お金は、単に仕事の価値を他人と交換する時、非常に便利な道具というに過ぎないのです。
これはとっても大切な事です。貴方にとっても、私にとっても、そして全世界の人類にとっても大切な事です。

いやそれは大袈裟だろう!と思うかもしれませんが、実は決して大袈裟な事なんかではありません。

仕事をして、その価値を他人と交換するという事は、生きて行くために必要な全ての知識と技能を個人で身に付けなくても、非常に品質の高い価値を得られるので、自分は得意な事に集中して1日を過ごす事が可能になります。

そういう、得意な事をして苦手な事は仕事によって価値交換を重ねる事で、人間はその生涯を高い価値を維持したまま全うする事ができ、それゆえに人間は他の動物を抑えて、生態系の頂点にいられるのです。
人間が持つ最大の強みは力の強さでも足の速さでも、知能でもなく、高度に維持された社会性なのです。

貴方が食べているご飯も、着ている服も、乗っている車も、本も、スマホも、ゲームも、なにもかも、貴方が1から造りだす事はできません。
人間が、高度な社会性を発揮して、どこかの誰かとどこかの誰かが価値を交換しながら、最終的に貴方の手元にやってきたものなのです。

仕事の起源とその重要性について書きましたが、その逆を考えると、貴方がこれからしなければいけない仕事とはどんなものなのか、その価値についてイメージしてもらえるのではないでしょうか?
仕事とは、誰かの苦手な「事」をその人に代わって高い品質で行う行為なのです。
それはつまり、その誰か(会社ではお客様)よりも高い品質で「事」を行える技術や知識が必要になってくるのです。

今、貴方自身を振り返ってみてどうですか?
会社と、そしてお客様と何か交換できる価値は持っていますか?
もちろん、持っていないと思います。
今まで、貴方はその人間の強みに守られた存在だったのです。
しかし今日から貴方は、人間の強みを発揮していく一員になったのです。
そしていつの日か、弱い存在を守る者へと変わっていく事でしょう。会社の先輩がそうであるように、そして貴方の親御さんがそうであるように。

仕事とは、お金も無い時代から数え切れないほどの数の人間が価値の交換を繰り返しながら、人が人である事を実践し続けてきた証なのです。

・・・

という話をしたのでまとめておきます。

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