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どんなわずかな事でもいいから、喜びを大切にする心が欲しい 中原淳一

美術館女子ではないので、久し振りに観たい!と思った展示がまた松濤美術館でびっくりした。
ほぼ1年前に訪れた時も雨季だった。
そのエドワード・ゴーリー同様、中原淳一のこともほぼ知らない。
知らないけど見知ってはいて、絶対楽しい時間に決まっている!と自信を持って本日訪れたところ、想像以上でうっとりして帰ってきた。

知れる時間と覚書

人形作家で画家でイラストレーターで、というところまではなんとなく知っていた。
が、ファッションデザイナーで、なんと自ら女性誌を作ってしまう編集者でもあった。
「少女の友」「きものノ絵本」「それいゆ」「ソレイユ」「女の部屋」「ひまわり」「ジュニアそれいゆ」。
その活動のベースには、ファッション・インテリア・手しごとさらには心の持ち様など全てにおいて、少女淑女へのエールが感じられた。
執筆物を読んだわけではないので確かとは言えないが、こういうのはNGとかイタイと煽るのではなく、自分はこうしたいこうありたいと言うような愉しげで、謙虚な提唱を感じた。
画がとんでもなくお洒落というだけでなく、なんだか嬉しさが込み上げてくる鑑賞だった。

心に残った作品

【ひまわり・らいぶらりぃ】
「若い女性の心の糧となるように」と様々な作家の少女小説に絵をつけた本。
なんと「持ち運びやすいように」とサイズが12センチ四方(真四角)に揃えられた本だ。表紙絵のみならず、その発想も素敵すぎる!

童話集【七人のお姫さま】
「童話には生きていく上で重要な事柄が含まれているからもう一度目を向けてもらいたい」と、大人の女性向けに作ったらしい。
お姫様の中には・・私の推し、白雪姫も!

白雪姫クリアファイルとはー!
お宝すぎるーー!!
(お土産)

【雑誌の付録】
しおりやかるた、便箋や指人形など、女の子が嬉しい雑誌付録の先駆けが可愛いのなんのって。
眺めているうちに自然と昭和の月刊漫画誌「りぼん」「なかよし」などの付録を思い出したのだが、あの時代「全プレ(全員プレゼント)」という代金を切手で送ると必ず送られてくる特別付録があった。
が、我が家は貧乏だったため、全プレ我慢してたなぁ・ ・なんて事を思い出してしまい、うっかり泣きそうになってしまったw

【ファッションは廻るというのは本当のホント】
「ソレイユ」のブラウス特集。
デザインや形が、今店頭に並んでいるものと全く一緒!
帰宅と中で思わず50%OFFになってたブラウスを買うところだった(我慢した)。
パッチワークが独特なお洋服や、浴衣の実物展示もあった。
白地に藍色でリボンを描いた浴衣がモダンで可愛かった。

【それいゆインテリア記事】
戦後5~10年頃の記事だから、上流階級ではないにしろそこそこ裕福なおうちなのかもしれないが、斜め上から見た子供部屋の絵。
押入れらしきところにベッドが作ってあったりクロゼットだったり。家具で間仕切りしたり。
こういう工夫っぽいテイストに、秘密基地なうきうきを感じるのは、今も昔も変わらない。

【COLOUR and COLOUR 茶色】
ファッションの絵に直筆?で文をつけてらして、私は茶系ファッションが好きなので見いってしまった。
白地に細い茶色のピンストライプのミニワンピース(パフスリーブのシャツワンピ)に、茶色のベルトと同じ茶色をポイント使いしたカチッとした白ハンドバッグ。
曰く、春や初夏に、茶色と、黄色ではなくレモン色を合わせると、事務的な感じから急に甘い色合いに変わるのだそう。
黄色は合わせるけどレモン色は買ったことがない。ちょっと気になっている。

前回は円形廊下から見える中庭に
雨が降っていた


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