2023/11/2ふむふむ講演~大阪府立長尾高等学校~
みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ
2023年11月2日、
大阪府立長尾高等学校の教職員人権研修にて
げんのすけによる講演をさせていただきました!
※大阪府立長尾高等学校のHPはこちら
長尾高等学校では、すべての先生が会議にノートパソコンを持ってこられ、パソコンで資料を見ながら研修を受けておられました。
訪問させていただいた日はどの先生方もとてもお忙しい様子でしたが、多くの先生方にお集まりいただき、短い時間ではありましたが大変熱心に話を聴いてくださいました!
何かひとつでもお役に立てることがあったのであれば幸いです^^
さて、今回は以下のラインナップで概要をお届けします^^
これから講演の実施をご検討の皆さまに、本記事が参考になれば幸いです!
”ちがい”を知ろう~知るLGBTQAI+/講演~
①差別って何?
どの先生方も大変お忙しい様子で、会議の開始予定時刻が来てもまだ多くの先生がお集まりではありませんでした。
そこで、開始時間を少しを遅らせることとなったため、今回は約50分での研修となりました。
ふむふむでは先生方対象であれ、生徒向けであれ、まずは「しっかりと考えてもらうこと」が何よりもだいじだと考えております。
そこで、考えていただくきっかけになればと、今回も研修の冒頭で「差別って何ですか?」という質問をはじめ、いくつかの投げかけをさせていただきました。
いきなり「差別って何?」と聞かれると、大人でも子どもでも頭を抱えてしまう人や固まってしまう人が多いのが事実です。
人権は私たちの生活にとって何よりも大切なもののひとつです。
そして、差別はそんな人権を脅かす恐怖であり、私たちがしっかりと向き合っていかなければならないものだと考えています。
だからこそ、普段から少しの時間でもいいから、考えがまとまらなくてもいいから、まずは考えることがだいじなのです。
しかし、最もだいじなことのひとつであるにも関わらず、「難しいから」「デリケートだから」という理由で敬遠されがちなのもまだ事実です。
決してきれいな答えを持っている必要はありませんし、教科書通りの答えを知っていても差別について深く考えたことがないのであればあまり意味がありません。
今回の研修でも先生方と一緒にたくさんの気づきを得たいという想いを込めて冒頭に大きくて難しいテーマの質問をさせていただきました。
②LGBTQAI+とは?
今回は時間の都合上、用語解説は簡潔にさせていただきました。
ふむふむの講演スライド【改訂版】は、LGBTQIA+とは何かをよりイメージしてもらいやすいように図示化しております。
「LGBT」という用語が初めて公の文書に記載されたのは2006年だそうです。
2023年現在、様々なメディアで見聞きするようになりました。
そして、当事者の方々の中にはSNS等を通じて声を挙げる方が増えてきたように思います。
日本でも性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(いわゆる「LGBT理解増進法」)が施行されました。
もちろん学校現場でも教職員研修が行われたり、生徒向けの人権研修が広く行われています。
こういった事情から用語の認知度はかなり上がってきたのではないかと思いますので、今回も一からの説明ではなくポイントを押さえた簡潔な解説とさせていただきました。
本記事の冒頭でお伝えしたように、長尾高等学校の先生方は各自のノートパソコンで資料を見ながら熱心に解説を聞いてくださいました。
③ワーク~当事者は何に困り何に悩むのか、その対応を考える~
ここで先生方にワークをしてもらいました。
・「当事者は何に困り悩むのか」
・「困りごと、悩みごとに対して学校としてどのような対応ができるか」
この2点についてグループに分かれて意見を出し合ってもらいました。
トランスジェンダーの生徒さんが在籍している場合、学校現場でも多くの対応を求められるケースが想定されます。
講演者のげんのすけがトランスジェンダー当事者であることからも、今回のワークはトランスジェンダーの生徒さんが在籍しているという想定で実施していただきました。
ワーク後、出てきたご意見等を共有させていただきました。
どの先生方も「まずは当該生徒さんや保護者の話をしっかりと聞く」とおっしゃってくださり、学校としてその都度ベストな選択ができるように向き合っていくという姿勢を持っておられたのがとてもよかったと感じました。
④当事者の声、当事者のグラデーション
事前に当事者の方々にご協力いただいたアンケート結果を用いて当事者のリアルな想いをご紹介しました。
アンケート結果の内容は、当事者の方が学校生活においてどのような場面で何を感じ、何に困り感を持ち、どうして欲しいと思っているのかをまとめたものです。
そして、何をどこまでどうしたいのか(どうして欲しいのか)は本当に人それぞれであり、同じ当事者でも年齢や時期によって変化することは十分にあり得るという話をさせていただきました。
だからこそ、先生方がシェアしてくださったご意見にもあるように一人ひとりとしっかりと向き合い、何をどこまでどうしたいのか(どうして欲しいのか)、そして学校としてどこまでのサポートができるのか(できないのか)、想定し得るリスク等について共通認識を持つことがだいじであることもお伝えさせていただきました。
⑤当事者へのサポートとは
当事者のサポートで大切にしたい2つのことをお伝えしました。
そして、多くの人が一同に会して学ぶ「学校」という場だからこそ果たせる役割について、その中における「教師」というポジションの重要さについてもお伝えをさせていただきました。
ここが本講演の”肝”でしたが、残念ながら時間にあまり余裕がなかったので、欲を言えばもう少しお時間をかけて丁寧にお伝えしたかったところであはありました。
しかし、先生方のうなずき方を拝見していると、学校という場の貴重さや重要さについては先生方にもしっかりと伝わったのではないかと思いました。
⑥”カミングアウト”について考える
昨今、ふむふむが見聞きしている限りでは校種や府県等は関係なく、どの学校もセクシュアルマイノリティの生徒への理解が進み、サポートも徐々にできる幅を増やしてきているように感じます。
ところが、その多くは学校や保護者に”カミングアウト”できていることが条件となっているようにも思います。
「言わないとわからないでしょ?」という声が聞こえてきそうですが、まさにセクシュアルマイノリティの方々は”目には見えない”問題や困りごとをたくさん抱えていらっしゃいます。
目に見えるからいい、悪いということを言いたいのではありません。
目に見えないからこそ、サポートを受けるためにまずは”カミングアウト”するという大きな大きなハードルを越える必要があるのです。
ただし、当事者の方々にとっては”カミングアウト”は大変大きな負担であることは容易に想像できます。
まずは受け入れてもらえるのかが分からない、受け入れてもらえたとしてもこれまでと同様の付き合いをしてもらえるかわからない、そして一人にカミングアウトをすればその周囲の人にも次々にカミングアウトをしなければならず、その度に不安がつきまとうのです。
「学校」という環境でさらに不安材料が増える可能性もあります。
そこで、カミングアウトをしなくてもある程度のところまでは当事者の方々が学校生活を安心して送ることができるようなサポート体制についてお伝えをさせていただきました。
その代表例としては今すぐ実行可能な「呼称の統一」です。
男の子(男性)は「くん」、女の子(女性)は「さん」と区別して呼ぶのではなく、男女に関わらず全員を「さん」で呼ぶこともれっきとした一つのサポートです。
上記以外にもできるサポートや当事者としてのげんのすけの考えや想いをお伝えさせていただきました。
いかがでしたか?
タイトなスケジュールではありましたが、管理職の方はじめ熱心な先生が多く、今回もまた大変勉強になりました。
各学校における研修では、設定時間や形態なども含めて臨機応変に対応しますので、研修をお考えの場合はお気軽にご相談ください^^
今後もふむふむの活動をとおして、人権学習を身近に感じてもらい、ひとりでも多くの方が自ら考える力を身につけ、すべての方が安心して生活できる社会をめざしていきたいと思います。
困ったことや、周りには言えない悩みがあったり、自分なりに考えたことを伝えたくなったりしたら、いつでもご連絡ください。
ふむふむはみんなからの連絡を待っています^^
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