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GWブックオフレビュー2024(永山・滝川・岩見沢・あいの里・前田・36号美しが丘・恵庭・千歳・小樽・山鼻)

今年のGW(後半)にブックオフは(アプリ会員限定ながら)本全品20%オフキャンペーンを展開。

普段はアプリに与えられた100円・200円引きクーポンをチマチマ消費しているだけの半引退生活を過ごしている私も久々にあちこちのブックオフを巡ってみることにした。

2019年まで年数回開かれていた本全品50%オフキャンペーンの昔を知るものとしてはイマイチ心が燃えないのだが、しかしこの程よい混み具合と、クーポンチマチマ消費ライフを一時離脱するにはちょうどいい口実となるこのキャンペーンは春の陽気の心地よさであった。

①BOOKOFF 旭川永山店

ブック・ネット・ワンと共倒れした旭川豊岡店の閉店とDCM上磯店の開店により、函館に逆転され3店舗都市(圏)となった旭川。
永山店はその中では旗艦店と呼べないこともない程度には大きく(と言っても公式HP上では「中型店舗」)、最末期のブック・ネット・ワン豊岡店と匹敵するほど客が多かった(ガラガラという意味ではない)。

どういうわけか旭川のブックオフはどこも壁に面していない本棚の背が低く、妙な開放感があり、それが永山店1階の(私は本の購入のみを求めるこふーな客である)ファミリー向けな雰囲気作りに役立っているようだ。

なお、肝心の活字本については層が薄く、冊数はそれなりに多いものの買うべき本は見当たらなかった。

近くに旭川市立大学(2023/5/1現在では学部・短大部・院合計学生数が997人。惜しい!)があるにも拘らずこの薄さ(私の定義によれば110円棚に意外な良本がなく、それ以外の棚にも大学図書館にあるようなよい新書・文庫本などがあまり見られないこと)だからどうにも悲しい。

②BOOKOFF 滝川店

滝川店は国道12号線の滝川バイパスに面しているアクロスプラザたきかわというショッピングプラザ内に2008年に竣工した純ブックオフ建物である。「滝川バイパス店」と命名されなかったのが不思議なくらいだ。

なので、札幌のような都市ではなかなか味わえない雑味のないブックオフを堪能できるのだが、あかんせん無味無臭なきらいがある。

國學院大北海道短大部があるのだが、あまり活字本の層の厚みに寄与していないらしい。

しかしこの手の純粋なロードサイド郊外型ブックオフの常として110円棚漫画の層が厚いため、無事伊原大貴『恋するワンピース』(3〜6巻)を購入出来た。

車でなければ行く気にならないこの滝川店だが、アクロスプラザ内の駐車場の動線設計がちぐはぐであるから、場内事故には気をつけた方がよい。私は2度の訪問で2度とも死角から来た車のためにブレーキを踏む羽目になった。

しかし何故この店は旭川全店が20時閉店なご時世に21時まで営業していられるのだろうか?

③BOOKOFF 岩見沢店

大川隆法ファン垂涎(?)のコーナー

岩見沢店は国道12号線に面したエコタウン内にある、と書けば大型店舗のようだが実際には中型店舗である上に駐車場の形がやや歪でやや不便だ。

売られている本の層は郊外型店舗の中ではそれなりに厚く、ほとんど滝川店の上位互換と言ってよいほど。
ここでは迷った末に與那覇潤『増補版 中国化する日本』(文春文庫。名著なので学部時代の友人へ贈呈するつもり)と三善里沙子『中央線なヒト』を110円棚より購入。

特に前者は既に2021年に月寒東店の110円棚にて購入済みでありながら、しかしその後一度てして(110円棚では)見かけることは全くなかったため岩教大のある岩見沢という街そのものへの好感度が少しだけ上がった。

(ブックオフで層を云々しても仕方ないのだけれど)

④BOOKOFF 小樽インター店

小樽インター店はその名の通り札樽道の終点小樽ICにほど近く、しかもJR小樽築港駅から歩いていけないこともない立地にあり、近くにはバス路線もある。
しかしエコリユースファクトリーの建物自体は目立たず、しかも路地も狭いことからあまりパッとしない印象をこの店は与えてしまう。

だがその内実は豊かであり、小樽商大を有する10万都市小樽(書店や古書店は少ないけど、いや、むしろ少ないからこそか)がこのブックオフを育んだと言えるだろう。

ブックオフのある1階はホビーオフやオフハウスと混ざっておらず、スッキリと広々とした店舗でゆっくりと本を手探ることが出来る。
しかも奥行きが豊かであるからレジから程よく離れているのもなおよい。

(なんとなくハードカバー本が充実しているように思われた)

この店では110円棚にて浅田彰『逃走論』(ちくま文庫)、柴谷篤弘『反科学論』(ちくま文庫)、吉見俊哉『万博幻想』(ちくま新書)を購入。
ちくま系の強い店であったのかもしれない。

(もちろん110円以外の本もそれなりに厚い)

⑤BOOKOFF 札幌前田店

前田店はトライアルなどのあるショッピングモールの中にあるためか常に駐車場が混雑しているもいう弱点を抱えており、しかも近くに北海道科学大があるためかは不明ながら、いわゆる「文系」活字本がとにかく乏しい印象を受けてしまう。

おそらく「中型店舗」の中ではかなり店自体が狭いためであろう。
しかし、文庫本・新書・ハードカバー本の全てが少なく、層が薄いことはこの9年間で変わらないままだった。

直近で訪れていたこともあり、セール中は何も買わなかった。

ちなみに退店直後に店舗入口近くの自販機前にヤンキー座りをしながらタバコを吸う買い物帰りのオバサンがおり、人格形成期を過ごした平成中期を思い出すなどした。
ブックオフ、というよりこのトライアル全体があまりにも平成の匂いを発しているのが悪い。

何気に自転車で来店する客が多いのもこの店の特徴。

(しかし、実際に一番臭う運河亭は失われてじっている!)

⑥BOOKOFF 札幌あいの里店

あいの里店はそれなりに広いようで、しかしホビーオフに間借りしている感が拭えないやや悲しき店舗である。

この店は「これはいい!」と思い、買うほどの本は少ないながら、しかし買うか買うまいか迷わせる本はとにかく多いという唯一無二かもしれない店舗だ。

おそらくは札教大生と「学校の先生にゃなりたかねぇ!」という私の趣味がすれ違い続けているためであろう。
層は厚い。

GW中には何も買わなかったと記憶している。

⑦BOOKOFF 札幌山鼻店

110円以外の文庫の層がぶ厚いのが特徴。

そのせいか110円棚に限って新書も文庫本もレーベル別ではなくジャンル別に陳列するというとてつもなく不便・不愉快な状態になってしまっているのだが、これはリッチな山鼻にそぐわない110円本乞食が本棚の美しさを求めるなど笑止千万!と言われているのかもしれない。
そう考えるとしゅんとしてしまう。

ちなみにこの店では220円で『1944年の東条英機』を購入。

⑧BOOKOFF PLUS 36号札幌美しが丘店

店名が長い。ここは妙な店舗構成となっており、2階にしか書籍売り場がない。居抜きだろう。まぁ本の方が2階へ運びやすいのだから仕方あるまい。
層はそこそこ、110円棚にて『フランス現代史』『1995年』『ヤマノススメ』(8・9巻)を購入。

⑨BOOKOFF 恵庭バイパス店

この店の新書のほぼ全てがこの棚に

この店は小さく、とにかく層が薄い。
特に新書と文庫ハウツー本コーナーが薄すぎる。
新書についてはなんと棚1つに全てが収まってしまっているものだから、思わず店員に110円棚はありやと訊いてしまったほど。
しかし無いと言われてしまったので当該棚を探すとなるほどあるじゃないか。
しかし、少ない。

北海道文教大が近くにあるとは思えないほどの層の薄さで、同行していた恵庭出身の後輩などは「文化のない街……」と口走るほどであったので嗜めておいた。

しかしなんやかんや與那覇潤・東島誠『日本の起源』を220円棚から買えたので多少は心が満たされた。

⑩BOOKOFF 千歳サーモン橋店

この店はやや層が厚い。公立千歳科学技術大学のおかげだろうか。
この店は110円棚はそこそこであったが、しかし独自の250円棚というものがあり、そこにある新書が豊富であった。
小泉悠『ウクライナ戦争』を250円で購入。

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