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【ドイツで職業訓練】重大中間試験②

前回の記事はこちらから。
部屋に入ると机が等間隔で用意されていて、そこに各一人ずつ座るような形になっていた。
全員が着席すると試験官が説明をする。ただ声のボリュームが小さく、その上当時はコロナ禍でマスク着用必須だったため、何を言っているのかまったく理解できなかった。

ただ筆記するだけでしょ?その割にはやけに説明長くない??試験内容の一つである取り扱い品認知テストのことも言ってるけど何のこと????


この段階で焦り始める。
今言っていることも分からないならテストに書かれてる設問も、この後の実技もヤバいじゃん。ヤバい。ヤバいヤバい。

そんな私を置いてけぼりにテストが始まりそうだったので慌てて手を上げる。
職業訓練学校で先生が翻訳辞書の持ち込みOKだって言ってたな。確か申請すれば問題ないって。

アワアワしながら辞書を使って良いか聞く。
あっさりと許可が出た。この時国籍を聞かれる。一応答えたけど何それ。試験と何か関係ある?


筆記試験開始

「筆記は清掃についてとDreisatz(三率法)くらいだよ」チーフの言葉を思い出す。嘘やん。第一問目から乳化のこと聞いてきてるし。キッチンの知識を試すものも含まれてるじゃん。

チーフの言葉を信じて偏った分野しか勉強して来なかったので散々だった。辞書を使っても大して活用できないし。「こりゃ分かんねぇや」と早々に投げ出す。適当に答えを書いた。

筆記試験を受けている途中、後ろの席の何人か後方の部屋に入っていく雰囲気を感じた。
多分商品認知力テストのだろうけど、どういう順番なのか、タイミングなのか要領を掴めない。

終わった今なら分かるけど2人1組で入って行ったようだ。そして終わったら次の組。組み合わせは多分適当。しかしその時はどうすれば良いのか分からなかったから、行動を取りかねている内にどうやら最後の一組になっていたらしい。

「あなたは既に行ったの?」という試験官の言葉に押されて慌てて後方の部屋に向かった。

取り扱い品認知力テスト

部屋に入ると試験官が2人、長テーブルの島が2つあった。A/Bと札が立てられていて、それぞれ別のものが各20ずつ並べられている。

試験官から記入リストを手渡される。私のにはBと書かれていた。

商品認知力テストには自信があった。なぜならこれは文章を読む必要性がない。ただそこに置かれている物の名前を答えていけば良いだけ。
試験対策でこの分野だけは必死に取り組んだが、それにも関わらず3つだけ不明な代物があった。

小瓶の中にティーパックが入っている。匂いを嗅いで紅茶の種類をあてるという物だった。(紅茶の種類も特徴も勉強したけど嗅ぎ分けは知らない!全種類いちいち買って予習しておけってか!)この問題にはちょっと不満を持った。

ある調理器具の名称もまた分からなかった。チーフが「この分野も出るから覚えた方が良い」とあらかじめ言っていたが「出ないでしょw」と一蹴したやつだ。彼女の言葉に従っていればと後悔する。それの名前は英語では分かったのだけどドイツ語では分からなかった。ただ空白だけは良くないと思ったので英語で書く。その後採点で半分点数貰った。ラッキー。

3つ目はナプキンの折り方を答えるものだった。試験会場に向かう直前、職業訓練学校のWhatsAppグループで、既に試験を終えたクラスメートから報告が上がっていた。「取り扱い品認知テストでナプキンの折り方の名前出たよ」と。これは予想外だったので、自宅にいた旦那に慌ててメッセージを送って、ナプキンの折り方の名前一覧が載っているページの写真を送って貰う。

試験会場に向かうバスの中でずっとこれらの名前を覚えていた。ただミスをする。ナプキンにはディナーバージョンと朝食バージョンの2パターンの折り方があった模様。朝食の方は「出ない」と決めつけてディナーバージョンの方を必死に覚えていた。1セメスターでは朝食しか習わないと言うのに⋯。おかげで覚えてないやつが出て全く名前が分からなかった。

正直この課題に関してはパーフェクトを狙ってたので3つも分からないのがあって納得いかなかった。クッソ〜と思いながら部屋から出ると私以外誰もいなくなっていた。

みんなテストを終えて退出したらしい。「テスト提出したら良いですか?」既に適当に答えた用紙を持って試験官に出す。

そこでついでに、名前を書く欄の横にあった謎の大きな四角について聞く。「ここには何書けば良いんですか?」すると分かったのが筆記にもAとBの2パターンがあった模様。私がどっちを受けたのか記入する為の四角だったようだ。「私たちが分かっているからそこは書かなくて大丈夫よ」試験官がそう言う。ならいっかと紙を渡す。そして荷物をまとめると部屋を後にした。

筆記も取り扱い品認知テストも両方とも手応えがなかった。こりゃ終わった、そう思った。

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