【第18回】ポッピングボバを買うと癖の強い男を知る。
君はポッピングボバを知っているだろうか?
パラレルワールドで流行しているおもちゃ?売れない芸能人?ギャグ漫画キャラの必殺技?
どれも違う。
その正体は去年くらいから韓国で流行しているスイーツのことだ。
タピオカみたいな外見をしているのだけれど、実際には全然違う。
薄い膜の中に甘いジュースが入っていてプチプチとした食感が楽しめるスイーツとなっている。要は甘いイクラのようなものだ。
え、初めて聞くんだが?という人も多いと思う。その感覚は正しい。本場韓国ではめちゃめちゃ流行しているらしいけれども日本では一部の韓国ファンかASMR(音フェチ)動画の愛好家を除いてまったくといって流行っていない。
日本では通販を使わなければ手に入れるのもなかなか難しいシロモノだ。
僕も正直YouTuberの紹介動画を見るまで知らなかった。そして永遠に縁のないものだろうと思っていたわけで。
けれども今ここに、ポッピングボバが存在する。いや正確には買ってきたのでここにある。味は何となく美味しそうなイチゴ味を選んでいた。
実は先日、大阪のコリアンタウンである鶴橋・生野方面にいくことがあり、韓国のものが売っているお店でたまたま見かけたので衝動買いをしてしまったわけなのだ。
せっかくなので食べてみる。
うん、甘い。
プチプチしていて噛むと膜の中からジュースが溢れてくる。さすが食べるジュースと呼ばれるだけのことはあるなという感じだ。膜はイクラの膜よりも少し厚めで食べ応えもあった。
けれども…。
そんなに美味いか?これ?というのが正直な感想だ。ちょっと甘すぎる。
「なんで流行ったんだ、これ」という気持ちが溢れてくるけども、見た目はかなり“映えそう”なのでポッピングボバはインスタ映えを求める大衆の生んだ虚無スイーツなのかもしれない。
それにしても…。
見た目といい色といい、かなりイクラに近い気がする。いっそのこと軍艦に乗せてしまったらどうだろう?
事情を知らずに寿司屋で提供されたら「めちゃめちゃ大粒で豪華なイクラが来た」として喜んでしまうかもしれない。
でも、あのねっとりとした甘みと酢飯が絶望的に合わないと思う。絶対にやってはいけない。
ただ、もしかしたらやってる人がいるかもしれないので調べてみることした。実は先日書いたタピオカを鹿のふんに変えるというネタをやっていたYouTuberが調べてみるといたのだ。同じことがポッピングボバでもあり得るかもしれない。
けれどもそんな心配は杞憂に終わり結論としては誰もそんなことはやっていなかった。
しかしインスタでポッピングボバに目を惹く大量の投稿を見つけたのである。
なんだこの男?!
#poppingboba とインスタで検索して出てくる画像の中にときたま、このビジュアルの強烈な男が紛れ込んでくる。
どうも彼は韓国のYouTuberのようだ。登録者が20万人近くの結構人気な人なのかもしれない。残念ながら僕は知らなかったのだけれども。無断転載されまくるのは、どの国でも人気者の宿命なのかもしれない。
ポッピングボバが生んだバタフライエフェクト。こんなこともあるものなのかと1人で感心してしまった。
ポッピングボバを買って、軍艦を作る妄想をしたので、僕は彼を知ることができたわけで。
もしかしたら風吹けば桶屋が儲かるという言葉が生まれたのも、こういった形で生まれた言葉なのかもしれない。
ポッピングボバを買うと癖の強い男を知る。
今日、また新しい言葉が生まれた。
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