見出し画像

動物と暮らす。 Vol.16

こんにちは。
perromart.jp 獣医師スタッフの原 駿太朗です。

今回は少し暗いお話からのスタートになってしまいます。
最近、私がずっと担当していたワンちゃんが亡くなりました。

基礎疾患こそありましたが、本当に細かいケアをされていたおかげでうまくコントロールされており、苦しまずとても穏やかな顔で、横にいたのにしばらく呼吸が止まってるのに気づかなかったくらい静かな最期だった。とおっしゃっていました。

一緒に暮らしていられたのはご高齢の夫婦でした。

火葬の後に病院まで私に会いにきてくれたのですが、その時にふと、こんなことを口にされました。

「犬は大好きだけど、私たちはもう飼っちゃいけないわね…。」

聞くと、ご夫婦はご自身の年齢のことを気にされていました。
もし新しく家族を迎え入れたとしても、自分たちがその子に最後までついていてあげれるか分からないからだ。というわけです。

私はその時、彼らにうまく返事をしてあげることができませんでした。

動物を深く愛してくれる人達だからこそ、人一倍そこまで責任について考えてくれているんだと思い、無責任に何も言えなかったのです。

----------------------------------------------------------------------------

この出来事の後から、そんな方達と動物たちとがお互いの年齢を気にせず一緒に暮らし続けるためには、どんな手助けができるのか?と考えるようになりました。

今、「地域猫」というのがひとついいモデルになるのではと考えています。

画像1

地域猫とは違い、メインのペアレント(飼い主)がみんなで認識をした上で、「地域の人とみんなで育てていく」という形を作ることができたら、1頭の命に対して複数の人たちが普段から関わり合いながら生活していけます。

それなら自身の年齢に関連して起こりうるリスクを複数で分け合いながら、最後の最後まで動物と関わっていくことができます。
動物にとっても本当に愛してくれる人々と出会える可能性が広がります。
もしかしたら近年、薄くなってしまった地域のつながりが出来るきっかけにだってなるかもしれません。

具体的な方法は、ソーシャルワーカーのように飼っていく手助けをするという仲介の立場の人を創出するところから始めるのがいいのか、町内会などで緊急時に助けられるように連絡網みたいなのを作ってしまうのか…。

決して飼う側が命を背負うことに対して浅はかになってしまわないように最大限の注意を払う必要はありますし、動物たちが細かい環境の変化に戸惑わないように出来るかなども考える必要はあるでしょう。

ですが、動物と人とがもっと色々なところで共に生きていく未来のためにこれからも考えていきたい。と強く思える課題です。

----------------------------------------------------------------------------

最後までお読みくださりありがとうございました。
それでは、また来週。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。サポートも嬉しいですが、基本的に全て無料で投稿していきますので、「スキ」を押していただければ励みになります。また、せっかくですので今後も情報をお届けしたいので「フォロー」もいただければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。