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たぶんわたしは本が好き

最近、好きだったはずの本が読めなくなり
落ち込んでいました。


「好きだったはず」ではなく
本を読んでいた自分が本当は虚構で
本当のわたしは本なんて嫌いで
好きなフリをしていただけなんじゃないかと
そんなふうにすら思っていました。

そうだよ。
だって本を読んだって
みんなみたいに上手な感想なんて言えないし
「おもしろかった」しか出てこないもん。
ほら、だから本当は好きじゃなくて
本を読んでいる自分に酔っていただけなんだ。


そう考え始めると、
本だけじゃなくて

わたしのなかにあるもの
ぜんぶぜんぶ虚構かもしれないなって

じゃあ、わたしってどこにいるんだろうって
思うようになりました。


それでも、もしかしたら、また
本を読みたくなる日が来るかもしれない
というか来てほしい

そう思ってキャリーケースの中に
読まないかもしれないけど
期待を込めて、本を1冊いれて出国しました。


バンコクへ来て1週間。
(長っ)


特に目的があって来たわけではなく
まあ、かっこつけて言うならば
「心の静養」のような
そんな目的で来たわけですが

今日はスタバでのんびりする日にしよう。
(スタバなら、勝手は万国共通な気がするので笑)

そう決めて、日本から持ってきた本を携えて出かけました。



わたしは書店で本を買うとき
ブックカバーをしてもらいます。

なので、書店のブックカバーと
自分の部屋の中の置いている場所から判断して
中身を確認せずに持ってきたのですが

思っていた本と違うものを持ってきていました。

でも、読みたかった積読のうちの1冊なので、よし。
ちなみにそれは海外と日本で活動しているかたのエッセイ。


本を読むために出かけたけれど
読めるかはわからない。

そう思いながら頼んだドリンクは
タイ限定のゆずコールドブリュー。
とってもおいしい。日本でも飲めたらいいのに。


いざ、席について本を開くと
わたしの目はするすると能動的に文字を追う。

書かれていることが今のわたしにとても合っていて。
ひとつひとつのことばが心に沁みていって。
ことば選びと、感性、素敵だな、好きだな〜って。

・・・わたし、本を「楽しく」読めてるじゃん。
本、好きじゃん。

せかせかなんていっさいせずに
新旧入り混じる都会の喧騒をBGMに
自分のペースで本を読めている自分がいて

ほっとしたし
虚構じゃない「わたし」がちゃんといた。


よかった。


という話。
場所と環境を変えると
見えてくるものって、あるのかもしれない。
たまたまかもしれないけれど。

本を読めないわたしはきっと
疲れていたんだろうと思うけれど
疲れていたことにすら気づかないんだもんね。
自分のことって見えないね。

本が嫌いじゃなくてよかった。
本を好きな自分が偽りじゃなくてよかった。

そしてまた、読みたい本も
増えるのでした。

店内は冷房が効き過ぎているのでテラス席で。
店内のBGMが霞むほど外の音(車やバイク)はうるさい、でも心地よい。

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