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karakurist目録#1_材料と加工法を決める

からくり作りたい!って人へ書きました。

今回は「何で作るか」です。
材料によって完成形のイメージは大きく変化しますし、作り方は精度に影響するので作る物の大きさを考慮する必要があります。
まあ、基本的には得意なもので作るのが一番でしょう。
もし過去に工作で何かを作ったことがあるなら、その方式で作るのがいいかもしれません。だいたい以下のような感じです。

木材 = 暖かみ

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単板と合板があり、単板は種類が多く材料のみで色を使うことができます。合板は種類が限られますが、単板より安定した材料です。
加工するものが薄いものなら合板がいいし、それほど薄くないなら単板を使ってみるのもアリだと思います。
また、木材の特徴として作品に「暖かみ」が出てきます。木材特有の打音もあって、非常に趣のある雰囲気にすることができます。

加工法としておすすめなのは糸鋸です。若干の器用さが求められますが、電動糸鋸は他の加工法のための機材より安いです。また設計から加工、検証までのプロセスが速いことも魅力です。加工後の切り口も木材の質感を損いません。あとCADが使えなくても形にすることができます。

量産を目指すならレーザーカットです。レーザーカットは使用できる材料がとても限られますが、一度設計データを作ってしまえば大量生産が可能です。加工した切り口は焦げてしまうため、木材の趣を最大限に引き出すのは難しいように思います。

高精度な加工であれば切削加工機を使用するのもありです。私も現在はCNCフライスを使用して加工しています。他の加工よりも高精度に作ることができます。また、3次元形状の加工もすることができます。
ただし、機材が高いものが多かったり、大きなものが加工しにくいなどのデメリットがあります。

アクリル = 透明感

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アクリルは色鮮やかで木材より安定した材料です。他の材料では表現できない透明感を持っていて、機構を可視化するという意味ではとても都合の良い材料です。材料の鮮やかさから、作品の仕上がりはポップな印象になりやすいです。ただし、一歩間違うとチープな印象を持ってしまうのが難しいところではあります。

アクリルの加工としてのおすすめはレーザーカットです。木材では切り口が焦げてしまいましたが、アクリルは焦げないため非常に相性の良い加工法です。ちょっとした問題としては、レーザーカットは仕組み上、上面と下面で台形になりやすい点です。

また、切削加工機での加工も良いです。切り口の透明度はレーザーカットに劣りますが、非常に高精度に作ることができます。

金属 = 無機質感

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金属には無機質で冷たい印象があり、機械特性としては木材やアクリルよりかなり優れています。金属を加工すること自体、他の材料より難易度が上がりますが、切削加工機を使うことで非常に繊細・高精度なものを作ることができます。

その他

MDF

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MDFは中密度繊維板のことで、木の粉を接着剤で固めたものです。木材より安定している材料ですが、木材より脆いです。加工方法は木材と同じです。

3Dプリント

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3Dプリントは現状、あまり質感に秀でているわけではありません。しかし、立体的なからくりを簡単に作ることができるのが最大の魅力だと思います。

ペーパークラフトでからくりを作ることもできなくはないので紹介します。材料自体は薄いため、展開図を作って、組み立てるように部品を作っていきます。特別な加工機が無くても作ることができるのがメリットです。
材料としては弱いので大きな力を扱うことはできません。

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他にも探せばいろいろあると思います。

これからからくりを作り始めたいとなると機材の費用がかかってしまうのは仕方ないですが、3Dプリントやレーザーカッターには出力サービスがあったり、ファブスペースで借りることができたりするので機材を買うより安く作ることができることもあります。(長期的に考えると機材は揃えるのがベストなのですが。)

からくりを「何で作るか」とは絵でいう鉛筆画、油彩、水彩みたいなものです。

自分のイメージに合うような手法を選びましょう!

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