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成長する新人、成長しない新人

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
いろんな方が言われていることですが、この新人時代に、仕事にどう向き合うか、どんな気持ちで過ごすか、どんな体験をするかで、その先の「伸び方」が大きく変わると思います。

 例えば、新人は技術を先輩から「あれをやっておいて」「これをやっておいて」と何かと用事を頼まれますが、この用事をただ、「こなす」ようにやるか、好奇心をもって「くふう」しながらやるか。小さな用事をすることひとつでも大きな差が生まれてくるように思います。

 例えば「お茶を入れる」という用事。先輩から手順を教えてもらって、やってみる。手順に従えばたぶん1~2回のレクチャーでできるようになるはず。しかし、それだけでえ満足せず、次のステップは「どうすれば美味しいお茶をいれられるか?」と基準をあげてやってみる。
同じ茶葉でも茶葉の量、湯の温度、湯の量、浸出時間はもちろん、注ぎ方、湯のみに注ぐ順番など、「美味しさ」にはいろんなポイントがあります。その他、提供するタイミング、所作や表情ひとつでも美味しさは変わるはず。「お茶を入れる」というのは「用事」のひとつですが、本来は「茶道」と言われるくらい突き詰めれば深いものがあり、これで人を感動させることだってできる重要な「仕事」です。

 しかし、よく若手は、「先輩は私にばかり雑用を押し付けてくる」とか、「重要な仕事を任せてくれない」など、「お茶を入れる」という用事を軽く考えることがあります。そういう気持ちになれば、これは「こなし仕事」になってしまい、考えることも工夫することもしない。いわゆる「身が入らない仕事」をする訳です。

 「身が入らない仕事」でも一応は「用事」は終わります。「ありがとう」と言われるかもしれません。ただ、怖いのは、そうして終わっていく中で「こんな仕事への姿勢でいいのだ」「仕事とはこういうものなんだ」と感じてしまうことです。そうなると、他に頼まれた仕事も「こなす」ようにする。そうすれば、きっと面白くなくなります。面白くないと、ますます作業化(こなし、さばき型)になる。益々創造性がなくなる。最後には「自分には向いていない・・」と仕事が嫌いになる・・・。一年目でどんな「仕事観」を身に付けるか。本当に重要です

 頼まれたひとつの「用事」にどう向き合うか?
雑用というものは、その人が「雑にする」ことで、そもそも世の中に「雑用」という仕事はないはずです。どんな仕事であれ、用事であれ、とにかく、ひとつひとつに疑問、興味、好奇心をもって真剣にやる癖をつけること。先輩の教え方も大事な気がします。

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