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ホスピタリティは心の交流

「ホスピタリティ」とはどんなことでしょうか。「ホスピタリティ」を日本語訳は「おもてなし」という方もおられますが、「おもてなし」は“客人を迎える”という場面が思い浮かぶので、私は何か範囲が狭い気がします。

例えば道端で、おばあさんが大きな荷物を抱えて困っていた時に手を差し伸べてあげることもホスピタリティでしょうし、熱を出して寝ているお母さんのために、小さな子供が道端で花を摘んで持って帰える行為も私は、ホスピタリティのような気がします。おもてなしより、もっと大きな範囲の概念で、日本語では思いやりの心、誠実さ、気配り、優しさ・・・という言葉になるのではないでしょうか。

以前、「ホスピタリティ」を学んでいた時に私の心に残ったのは、「ホスピタリティは心の交流」という言葉です。まず、「誰かが困っている」という状況にその人の心のセンサーが働く。そして「どうされたのだろう?」「何かしてあげられることはないか」と心を巡らせる。困っていた相手は、その人の思いや行為に嬉しくなり、感謝の気持ちがわいてくる。そして、また行為をしたほうも、その気持ちが伝わり嬉しくなる。心が相互に交流し合うことがホスピタリティ。まさに人間にしかできない素晴らしい世界だと思いました。

 マニュアルサービスとホスピタリティを区別して説明される方もおられます。確かに、マニュアル通りにしているだけでは、心の交流は生まれません。でも、どんなマニュアル化されたサービスでも、そこに人が心を込めればホスピタリティの世界になるはずです。

例えば、「いらっしゃいませ、お席にご案内します」というお迎えの場面で、小さなお子様を連れたお客様だから「ゆっくり歩いてあげよう」と思うスタッフの気持ちはホスピタリティ。「今日は楽しんで帰ってね」と子どもに一言声をかけてあげるだけでも、無機質なマニュアルサービスが心の通うホスピタリティになります。
仕事はただの「作業」にもなるし、心の交流が生まれる「楽しい時間」にもなります。どうせ同じように働くなら、後者の世界で働いた方がメンタル面でも良さそうです。

最近の脳科学研究では、困っている人を助けるなどの行為をすると、脳内に「幸せホルモン」というオキシトシンが分泌され、助ける人も幸せになるということも実証されているそうです。
一人でも日々の仕事に「ホスピタリティ」を発揮していく人が増えれば、世界は楽しくなりますね。


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