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音と自然と逃亡と

長野うまれ、長野そだち。
私には音楽と自然が常に隣にあった。

中学は吹奏楽部、高校は管弦楽部、大学は交響楽団。
根っからの音楽系文化部。
朝から夜まで、
時には夜から朝まで
音楽を中心とした生活。

朝練では6時20分に家を出る。
・・・ことができれば安泰だが、22分23分と日に日に遅くなり、
6時27分の電車にぎりぎりでいつも飛び乗る。
焦っていて家を出るまでは気が付かないが、
電車にのって一息つくと窓の向こうに
可愛らしくピンクに焼ける朝焼けが見えた。

毎日、毎日、練習、練習、練習、
「私達って成長しているんかね?」
とつぶやいたけど、日に日に蒼くなる山の稜線が眩しくてみられなかった。

文化祭で引退の私達。
いつにもまして練習に熱がはいることはなおさらだけど、
それ以上にこの部活に、この仲間との時間が惜しくて
贅沢に時間を使ってしまう。
気がつけばもう、帰り道には見る満点の星空だった。

だけど、
進学先もバイト先も筒抜け、
少し道を歩けば知り合い会わないことはない。

「もう、この場所で得られるものはない」
なんて。

地元での就職は考えもせず東京に飛び出して4年。

うまくいかないことも、理想と違うことも、
地元に残してきた後悔も心残りもたくさんあるけど、
それでも前を見るしかない。

居心地のよい家族と離れ、
ひとりの女性として生きる道をもがきながら、
また新たな家族を作ろう。


iPadの購入費用として使わせていただきます(経年劣化によりハードディスクを外出ししたノートパソコンで作業をしていますので…)