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映画記録「騙し絵の牙」

キャッチコピーが「登場人物全員嘘を吐いている」!
Amazon Primeで気になっていた映画を視聴。

キャッチコピーはちょっと違うんじゃない? って感じてしまったけれど、どんでん返しtoどんでん返しで飽きない展開に引き込まれていた。
登場人物たちが吐きたくて吐いている嘘ではなく、社会的立場や身を守る手段として隠していることがある、が近いニュアンスな気がする。

崖っぷち出版社が生き残りを懸けて「無理」に立ち向かっていく話。
大手出版社「薫風社」の社長が急逝し、次期社長を巡って社内で権力争いが勃発。
カルチャー誌「トリニティ」の編集長である主人公・速水は無理難題を押し付けられて廃刊のピンチに立たされる。
若手編集者・高野と大御所作家やイケメン作家、人気モデルを口説きながら攻防を繰り広げていく。

権力争い、となるとむかつく奴らが登場する。
そんな奴らが倒されていくのでスッキリする。
クライマックスを迎え、これで丸く収ったかなと思いきや、そこにくるどんでん返し。
どんでん返しが好きな人には堪らない展開が続くので、興奮しっぱなしだと思う。
私は興奮していた。

俳優陣が癖のある人ばかりで堪らない。
こういう人たちのバトルが観たいんだよ!!!という欲が満たされるくらい絶妙な配役だった。
のらりくらりと難題に向かう主人公の編集長・速水は大泉洋さん。似合う。
松岡茉優さん。美しさだけじゃない強かさを秘めた感じ、好きすぎる。王道ヒロインより努力家ヒロインが似合う人が好きです。
あとは池田エライザさんや斎藤工さん、リリー・フランキーさん、佐野史郎さん……と言わずもがなその俳優でしか取れない養分をくださる豪華な面構えである。

忘れてはいけないのが國村隼さん!
大御所小説家役で登場する。どっしりとした存在感〜。
モデルごっこみたいなシーン後、登場しない。急に消える。
大御所小説家編終了!解散!って感じであっさりいなくなってしまうので悲しい。

あと、映画が全体的におしゃれで今どきな画面演出だった。
TwitterやInstagramの画面で、現実にあることのように感じさせる。
確かに、こんな雑誌が発売の予告されたら買っちゃうかもな〜、みたいな。

音楽も素敵だった。
Instバンドの「LITE」が楽曲を手がけているらしい。
映画の展開にめちゃくちゃワクワクしちゃうピッタリな音楽が心地いい。
You Tubeで検索して色々聞くようになった。今もBGMにしてnoteを書いている。

音楽が、布石が張られていくターン! どんでん返しのターン! と、物語のテンポを区切っていて、物語の展開に集中できて観やすかった。

とにかくどんでん返される。
若手編集者・高村さんのラストが1番好きだな。
嫌なところ突くなあとニヤニヤしちゃった。

作中に出てくる言葉で印象に残ったのが、若手編集者・高野の実家である高野書店へ文庫本を買いに来た女学生が言うセリフ。なぜこの本屋にこの本を買いに来たのという問いに対して。

「メディア化していないから小説を読むしかない。」

確かに。
現代って面白い小説はどんどん映画やアニメ、ドラマでメディア化されることが当たり前なので、なかなか小説を自分から探そうとすることは少ないと思う。「騙し絵の牙」も原作は小説らしい。
この作品が面白いのか、と知ったところで、映画化しているからとりあえずサブスクで映画を観てから購入しようかな、みたいな。

こんな理由で本を手に取ってもらえたらめちゃくちゃかっこいいよなあ、と印象に残った。


▽映画記録

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