映画記録「左様なら今晩は」

幽霊と暮らす青年の日常映画。
どんな映画かわからないスッとしたシュールな感じのタイトルが好きで、興味を惹かれた。
あと、Amazon Primeで評価が高かったことから気になっていた。
それになにより「あなたが好きそうな映画」にリストアップされていた。
やるなAmazon Prime……!

映画鑑賞後に勢いでkindleの原作漫画を購入した。
原作との差分を交えつつ映画の感想を残します。

同棲していた恋⼈に振られた陽平(萩原利久)の部屋に、突如姿を現す幽霊の愛助(久保史緒里)。(中略)⽣きている間に恋愛を経験しなかった愛助は、男⼥が“付き合う”ことに興味津々で、陽平に質問攻めの毎⽇。最初は煙たがり、何とかして愛助を除霊しようとする陽平だが、⼈間の⼥の⼦と変わらない愛助との時間に居⼼地の良さを感じ始める。
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幽霊とのピュアな恋愛映画。
相手を想う、恋愛の美しい部分を切り取ってくれている。
そして愛助役の久保史緒里さんがめちゃくちゃかわいい。

恋愛のアダルトな面をきっちり押し出しているのが原作漫画。
ストーリーの主軸は同じなのに、恋愛なピュアな部分を魅せたいのか、アダルトな部分を魅せたいのかでがっつり印象が変わる。

後輩の果南が映画ではだいぶ「女が嫌う女」ムーブをかましてくる。
あからさまな果南にまんざらでもない陽平に結構イライラしながら観ていて「ちゃんとしろよ陽平~~~」となった。

漫画の方の果南は、陽平先輩に求めるのは性の部分と割り切っており、それ以上の恋愛関係は求めていない。
それが明らかであるところが、逆に好感を持てるくらい。

他には、映画の方が、漫画では明らかな脇役のキャラが立っていた。
いつも電話中の不動産屋とか、果南の叔母のスナック経営している霊媒師とか。

あとは元カノ。
漫画では2コマくらいしか出てこないが、映画では冒頭に同棲していた部屋から引っ越すシーンがある。
ベランダでタバコを吸っている陽平に声をかけ、タバコを一本もらうが、火の付け方が分からないという元カノ。
一緒に喫煙者と生活していたのに火の付け方が分からないあたり、陽平も他者への興味が表面的なだけだったので、お互いのことをそこまで気にしていなかったんだろうなと思った。
このシーンだけで「いつかは分かれるカップル」感が出ていた。

原作も映画も読むと、誌面と画面ではこうもキャラクターの動かし方が違う方が面白いんだなと勉強になった。

大きなどんでん返しがあるような映画ではないので、ホラージャンルから見つけた人は乗り切れないところがあるかもしれない。
幽霊だからか、ホラーがタグ付けされている。
LAMBを観たあとだったので、生活を共にするうちに陽平が愛助に浸食されちゃうような映画だと思いながら観ていた。全然違った。

元カノに振られた陽平が大きく成長する映画でもない。
幽霊と恋を育んでいくゆるやかな日常ピュアストーリー。

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