見出し画像

11月に読んだ本とか

いつもは好きなポイントを書き出して、
1冊に1記事を挙げていたのですが、
バタバタしているので簡易ながら印象に残ったところを書き出します。

あなたが誰かを殺した/東野圭吾

加賀恭一郎シリーズ。
父親が東野圭吾ファンなので、
新作は毎回読んでいる。
でも、最近あんまり好みな作品じゃないなあ、
と思ってしまってた。

これは個人的には久々ヒットな小説だった。
「クスノキの番人」以来の私的に好きな
東野小説。

事件後に、話し合いをしながら
謎を解きほぐしていく系のミステリー。
別荘地で起きる連続殺人。
犯人は自首で捕まるが、
動機や行動が謎に包まれたままだった。
そこで、別荘地の遺族らが集まって、
話し合いながら謎に近づいていこうとする。

加賀恭一郎によって謎がほどかれていく。
ほどかれていくというより、
ほぐされていく感じ。

すっきりとは言い切れない複雑な読後感が
堪らないです。
「祈りの幕が上がるとき」とか、
他の新参者シリーズの読後は
シンドイ……ってなりがちなんだけど、
今作はちょうどいいです。

いや、しんどくはある。
胸につっかえを残して終わる。

序盤に、明らかな伏線っぽい描写がある。
この人物が素晴らしい天才なのだ!という
伏線だとワクワクしながら読んでいたら、
なんとクソガキ伏線だった。
すっきりする従来の伏線の使われ方ではなくて、
伏線の逆張りって感じ。
伏線の意味に気づいたときには、
あまり経験したことのない痛快さがあった。

コンビニ人間/村田沙耶香

「普通」ってなんやろう、と思ってしまう。

主人公は大卒ながら、ずっっっと同じ
コンビニで働くフリーター。
生活の中心にコンビニがあって、
コンビニで働いているときだけ、
人間になれている気がする主人公。

ヒリヒリしながら展開を見守る。
最後の選択は、主人公にとっては最良で、
でも、家族から見れば恐怖なんだろうと思う。

多様性の時代で、本人の幸せは本人が決める。
だけど、想ってくれている人はどうなるの、
って思う。
あなたを想うことは、こちらの勝手な行為かも
しれないけど、それって寂しくない?
みたいな印象。
縁って、特に血縁は簡単に切れないし。

マガポケ(漫画アプリ)で連載されている
「阿武ノーマル」の主人公と空気感が近い。
あちらは暴力的な強さもある分、
感情が、まだエンターテイメントとして
理解できる気がする……。

あと、文庫の解説を読んで、
「文学」の凄まじさを実感。
私はただ物語を追うのに必死だったなあ。

本日は大安なり/辻村深月

とある結婚式場の1日。
結婚式の4つのトラブルで物語は展開される。
入れ替わりに殺人予告に計画段階からトラブル続きの夫婦に、
不倫の結婚式……。

プロって何かを考える。
結婚って未だに幸せの象徴っぽいし、
結婚式なんて更に幸せの象徴だ。
憎い相手が、そんな幸せいっぱいな様子で
現れたら……。

辻村深月先生の作品は
ハラハラしっぱなしだけど、
素敵なエンドで終わらせてくれるだろう
安心感がある。
この作品もニコニコエンドだった。

許せない相手と対面した時、
この小説のことを思い出しそう。

言葉ダイエット/橋口幸雄

数か月前に橋口さんの講義を受けたのですが、
惹きこまれてしまいました。
それに「言葉ダイエット」って言葉が気になる。
ので、購入。

本書には、メールや報告書で使える
文章テクニックがギュギュギュと詰まっていた。

仕事って人件費。
だと思うと、相手に伝わりやすいことって
1番大事だと思う。
「分かりにくいメールを送る」のは
相手の時間を奪う行為。

入社した頃に感じてモヤモヤしていたことが、
可視化されたような感じ。
全国の本棚に潜ませてほしい。

何気なくパラパラと読めば、
それだけで意識が変わると思う。

私も、特にnoteだとダラダラ書きがちなので、
言葉ダイエットしようっと。

「言葉に関する本」は縦書きが
多い印象ですが、この本は横書きだった。
メールもnoteもデジタルは横書きだもんなあ。
なので、デジタル時代に向けての言葉ダイエット!

なんだ、結局言葉じゃないか/伊藤公一

章タイトルが著者の手書き文字になっていて、
その字が丸っこくて印象的。

コピーをロジカルに説明されていて、
そこも面白かったけれど、印象に残ったのは手書き文字の話。

自分だけの文字と仕事用の文字を分けており、
仕事用は、相手への印象を強く意識しているとのこと。

デジタルが増えているとはいえ、手書きの文字って
メモを取ったり、相手への簡単な指示には絶対使う。

私は上司から指示されることが多いですが、
走り書きみたいなメモって正直、読めない。
でも、字が下手ですよって言ってるみたいで聞きずらい……。

これから意識しようと考えさせられる部分でした。

この本を読んだ後、
すぐに手書き文字の大切さを実感する出来事があった。

私は現在、コピーライター養成講座を受講していて、
講義によっては課題がある。
講義内に答案を作成して提出すると講師から講評が頂ける。

この本を読んで、文字に気を付けようと思っているときに
その講評が返ってきた。
スキャンされた私の答案が、薄い!
他の人と比べると、読めない薄さ。
講師の人に申し訳ない……。
自分でもフフッとなるくらい、字が薄かった……。
反省。

名作コピーの時間

プロが、プロになりたいと意識した・衝撃を受けたコピー集。

2019年発売なのでそんなに古い本ではないけれど、
古いコピーが多かった。

最近はインパクトあるコピーって少ないのかなあ。

ちょっと前に印象に残ったのが、ゼクシイの
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、
私は、あなたと結婚したいのです」のコピー。
いつかこういうコピー集にのりそう。

プロなのでもちろんのことなんだけど、
やっぱりコピーを選ぶ目線が違うなあ、と思う。

私の素人目線で好きなコピーを挙げると、
物語性が強く、自分の中にぽかぽかと
暖かな光を差してくれたものを選ぶ。
つまり、コピーの表面的な印象から選んじゃうかも。

選択したコピーが被っていることもあるけれど、
短いコピーを、それぞれの目線の解釈で読めるのが面白い。

他もいろいろ読んだけれど、また次回の記事で!

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?