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誰も教えてくれないコンサル転職の心構え~準備編

転職について

本当に転職するべきなのか?

コンサルティングのリアルを知っているか?


この記事では、コンサルティング業界への転職を目指す人に向けて、自分事として転職をよく考えることの大切さを解説しています。


  • 本当に転職するべきなのか?

転職をする理由は、大きく前向きなものと後ろ向きなものの2つあると思っています。
まず後ろ向きなものとしては長時間労働で体調を壊したり、人間関係に行き詰まったり、セクハラ・パワハラ被害への対応が不誠実であったり、多くの理由が一般的にはあると思います。
前向きなものとしては、今の職場で評価されているけれど、もっと腕を試せる環境に行きたい、スキルアップに繋がる環境に身を移したい、というものをよく聞くでしょうか。

ここで注意しなければならないのは、前向きな転職理由です。
あなたがいうスキルアップとは何ですか?
そのスキルは本当に転職先で得られますか?
自分は本当に能力が高いといえるのでしょうか?
人間関係が良好で、職場で評価されているということは、それだけで非常に幸せなことではないでしょうか?

何となく飽きた、この先ずっと仕事を続けていくとスキルが身に付かないのではないか、上司やベテラン社員のようになりたくない…
おそらくコンサルタントを転職先として検討する人の8割はこういった動機だと思います。一流といわれる大学を出て新卒で大企業に入社したものの、何をしているのかよく分からないまま高い給料をもらう。3年目くらいから学生気分から社会人への意識変革が起き、スキルやキャリアといったものをようやく真剣に考え始める。自分は優秀だという意識から、高みを目指すべきという得体の知れない野心に憑りつかれたかのように危機感を覚え、周囲を見下し、転職活動に入る。

こうなったら、何がなんでも転職をするという気持ちになり、100%今の会社を辞めることになります。
これは非常に危険なことであり、冷静さを完全に失っています。

まず、スキルやキャリアなんて正解はないし、社会に需要があるから無数の会社があります。いわゆるPEファンド、戦略コンサル、外資金融といった華やかそうなWordに反応して、あたかもこうした職業がビジネスマンの頂点に君臨するという思い込みはやめましょう。
全くもってそんなことはありません。
むしろ実業ではない分、社会にとって本当に必要なのか?というくらい疑ってかかった方が賢明だと思います。
それに外から観察する以上に、こういった会社は泥臭く、面白くない領域であることも事実です。

この先ずっと仕事を続けていくとスキルが身に付かないのではないか…
大丈夫です。9割のサラリーマンは大したスキルは身に付かないまま定年を迎えます。1割のエリートと熾烈な争いをすることにどこまで価値がありますか?9割の中の上位を目指して勝てる土俵で戦う方が、幸福度は高くなりませんか?

上司やベテラン社員のようになりたくない…
ならなきゃいいだけです。周囲の人物の平均像が自分の将来だという言説がありますが、それは論理が逆です。似たような人間が似たようなところに集まるのが会社ですから、周囲の平均=自分は当たり前です。
自分の意志で、自分で行動し、自分が変われば、将来も変わります。

まずは、冷静に、そして客観的に自分を見つめることで、転職ありきで動くことは避けるようにしましょう。


  • コンサルティングのリアルを知っているか?

まず、コンサルティングファームへの転職を検討している人の属性としては商社や銀行、メーカー、官公庁のトップティア組織の中でそれなりに成果を出してきたような層で、26歳~34歳くらいの層が大多数を占めると思います。
おそらくこういった人達は成長欲求というか、現状維持への焦燥感から何か行動に移したいと考えている人たちで、そうしたさらなる高みを目指していく先にコンサルティングという業界が見えてくるのだと思います。

コンサルティングというと、企業の経営層に対してトップライン向上やコストの削減、M&AといったCxOアジェンダにガンガン切り込んでいく、ビジネス界隈のトップティアの仕事であるというイメージが何となくですが醸成されていると思っています。
これは一面では間違っていないのですが、そんな存在になれる人はほんの一握りであり、大多数は経営アジェンダに携わることなく業務改善やシステム導入といったオペレーションやデジタルの案件に携わることになります。

もちろん、ファームによっても戦略案件を獲得できる割合は変わるので一概には言えないのですが、米系トップティアの戦略ファームでも2軍として採用されると、オペレーション案件やシステム導入、PMOをぐるぐる回ることになり、思い描いていた新規事業策定、中計策定といった案件がなかなか回ってこない、ということも全然あり得る世界です。

また、実際のプロジェクトは非常に地味なものも多いです。
議論のための資料作成を何十枚も作り込んだり、業務改善系のプロジェクトであれば大量の子会社調査とその解析などでExcelと1カ月間格闘したり、システム導入であれば要件定義やベンダー選定などで細かい作業が大量に発生したり、というようにクライアントの駒となって使われることになります。
しかもそれはクライアントと業者という構造的な問題ゆえにマネージャー以上になっても基本的に大きく変わりません。

こうした現実をしっかり理解したうえで入社すれば良いのですが、残念ながらそうした事実をファームが求職者に伝えることはなく、また、転職エージェントも伝えない(というかあまり彼らも知らない)ため、イメージとのギャップが生じ、プロジェクトワークは転職者にとって非常にネガティブな印象となるのです。

仕事についての解像度を上げることを意識してください。コンサルティングの仕事は伝えにくいと逃げる転職エージェントは切ってください。
エージェントであるキャリアアドバイザーがしっかりと経験していればわかりやすく言語化して伝えることは可能です。もし解像度高く伝えられないようであれば、コンサルティング経験として非常に少ないか、経験がないと思われます。


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