見出し画像

adidas takumisen(タクミセン)8&9レビュー

スペック

重量:
180g前後(サイズによる)厚み33mm
※参考値:
薄底レーシングシューズ 160-180g 25mm前後
厚底レーシングシューズ 180-220g 38mm程度

ミッドソール:
ミッドソール内にカーボンより柔らかく反発性に欠けるグラスファイバーの骨が入ってます。※カーボンプレートは入っていません

アウトソール:
アウトソールは内側こそ耐久性に強いコンチネンタルラバーが採用されていますが、摩耗しやすい外側のラバーが単なるラバーのようでしかも極薄。
アスファルトやタータンなら問題なさそうですが、公園などの突起のある粗い路面を走るとすぐにミッドソールが露出しそうです。

サイズ感:
かなり大きい。足の実寸+1.0cmに一番近いサイズで買えばちょうどいいのではないかと。ヴェイパーフライNEXT%との比較なら0.5cm downでいいはず。

用途

オフィシャルでは5km~ハーフまでのロード用とされていますが、ターサーやタクミセンシリーズでフルマラソンを走ってきた人ならフルマラソンはもちろんウルトラマラソンでも安心して走れます。

相場

定価20000円で現在の相場は16000-18000円あたり。
底値はポイントがついての実質12000円弱あたり(2023年5月時点)

感想

総じてユーティリティーな高コスパ(※底値で買えば)シューズです。


・ペガサスターボ難民の救いとなるか

答えはYES
テンポランシューズの傑作ペガサスターボ。
それが廃盤になって発生したペガサスターボ難民はこれを買えば満足されると思います。
ただしペガサスターボとは感触はかなり違って少し硬め(とは言えペガサス36などのクラシックなシューズと比較すればかなり柔らかい)。その代わりにだいぶ速く走れます。

ミッドソールのLIGHTSTRIKE PROはNIKEのZOOM Xと比較してやや硬い印象ですがそれでもかなり柔らかく、着地で沈みこむ感覚があります。
ヴェイパーフライなどの厚底カーボンプレートシューズに比べると、ロッカー構造に乏しいため転がるような感じはありませんが、
グラスファイバーロッドによる期待以上の跳ね返りを感じます。※ここがペガサスターボとの大きな違い。

なお、対抗馬としてニューバランス フューエルセルレベルV2が挙げられますが軽さや反発性能ではtakumisen、コストパフォーマンスならフューエルセルレベル。
※フューエルセルレベルは1万円以下で買える。

ストリークフライも位置づけは似ていますが価格と走行性能はtakumisen、耐久性のみストリークフライに分があると感じました。

・「ヴェイパーフライ2%」

takumisenはあくまで練習用シューズ。
トップスピードという点でカーボンプレートには大きく及びません。
5kmや10kmでもtakumisenよりアルファフライやヴェイパーフライを履いたほうが確実に速く走れるのでtakumisenをレースで使う理由は見つかりません。
それでもグラスファイバーの入っていない薄底シューズと比べたら確実にスピードはアップし疲労も軽減される印象。
ソールも厚いため衝撃吸収効果も高いと感じました。
それゆえ「ヴェイパーフライ2%」と表現したいシューズです。
スピードという点でポピュラーなシューズと比較すると
アルファフライ≧VF NEXT%=メタスピードスカイ>VF 4%≫takumisen8&9≒Zoomfly3>ターサージール>フューエルセルレベル>ペガサスターボ
だと思いました。

・シューレースは変えた方がいい

大きな弱点は見つからないtakumisen8ですが靴ひもがいまいちです。
伸縮性がなく滑りも悪いため、きつく締めたつもりでもアッパーがフィットしない。レースで使うならasicsのパワーホールドシューレース(※アンクルホールド結びをするなら130cmがいいと思います。)に交換したほうがいいかと。

・使い道

takumisenの長所は衝撃吸収性に優れているにもかかわらず軽量でピッチを上げやすいスペックになっている点。
なのでスピード練習にはもってこいです。
一般的に「衝撃吸収性と高重量と反発力低下」はセットなのですが、
ミッドソールのLIGHTSTRIKE PROは密度が低い素材ゆえに、衝撃吸収性が担保されるほど厚みを増してもなお軽量で
厚みがあるため強く地面を蹴っても故障が生じにくいうえに、
衝撃吸収性によって失われる地面からの反発力を相殺するようにグラスファイバーロッドが推進力を提供してくれるので、
故障を気にせずスピード練習に挑めます。

また個人的に好きなところは、ヴェイパーフライなどの厚底カーボンプレートシューズよりも走行性のがやや劣るところです。
昨今のトレンドで、練習からヴェイパーフライを履くのが当たり前になってきていますが、そこで走行性能がやや劣るtakumisenを履くことで自分だけが高負荷の練習を積むことができます。
※「やや」というのがポイントで、さすがにペガサスあたりだとなかなかヴェイパーフライには太刀打ちできない。

そしてレースではカーボンプレートシューズを使うと、練習では同じレベルで走っていたライバル達よりも速く走れます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?