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黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐

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〝悪〟は、自分の中につくりだしていたのだ。と気づいたサムのまわりに人が集まりはじめ、十年後、サムは「キング」というニックネームで呼ばれるようになります。  しかし、その呼び名が苦…
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記事一覧

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第25話

コボルの王様 -1 キマはルイにあずけることにして、 サムはきもちも新たに、 コボルのひと…

瀬﨑正人
9か月前
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<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第26話 

コボルの王様 -2 遠まきにあった人垣の距離がしだいに近くなり、幾人かの人びとは身をのり…

瀬﨑正人
9か月前
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<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第27話

コボルの王様 -3  人びとは、サムのことばのひとつひとつを検証するように、沈黙をつづけ…

瀬﨑正人
9か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第28話

戦士の過去 -1  ルイは目の前の景色の朦朧とするなかで、 しかし意識はあざやかに、 これ…

瀬﨑正人
9か月前
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<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第29話

戦士の過去 -2  こうしてルイの祖父は、その地位と名誉を剥奪され、国に対する賠償責任と…

瀬﨑正人
9か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第30話 

決意 -1  拷問の最中に死亡させたら、殺人罪になることは新米の捜査官も心得ていました。…

瀬﨑正人
9か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第31話

七人の友 -1  夜明けまえの廃墟の町を急ぎ足で通りすぎ、 サムは、かつてこの国に潜入する際に利用した楡の木の場所へと急ぎました。  楡の並木はすぐにみつかり、大きくなったその枝は、地上をこするほどに成長しておりました。  楡の木の幹の部分は掴めそうな部分が切り落とされていたので、 サムは、月明かりをたよりに、垂れ下がった枝を両手で掴むと、 膝のあたりまで押しさげて、 両足に踏んで……、 左右の枝を支えに顔を起こして、 塀のむこうの闇に沈んだ明日をみつめて、 一歩踏みだ

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第32話

七人の友 -2  しかし男たちのリーダーは、 「キング……、オレたちは、あんたがくるまえ…

瀬﨑正人
9か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第33話

七人の友 -3 「キング。運よく、水売りをみつけたとしても、どうやって、水や食料を、手に…

瀬﨑正人
9か月前
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<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第34話

七人の友 -4  星々から新たな力をうけとった男たちは、立ちあがると、朝陽の昇る方角に顔…

瀬﨑正人
9か月前
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<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第35話

 やってきた三頭の馬は、サムと男たちの頭の上に砂を巻き散らしながら止まると、 「ここでな…

瀬﨑正人
9か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第36話

七人の友 -6  しかし、はなしを聞いて顔色を変えたのは、サムの方でした。  砂漠の中を…

瀬﨑正人
9か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第37話 

生還 -1  ところが、サムラダッタ王国に到着したはずが、 「ここは、……なんという国で…

瀬﨑正人
9か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第38話

生還 -2  サムは顔をおこすと、掌をナジムの頬にあて、胸の高鳴りを押さえて、 「ナジムや、おまえの父親は? ……どこだ」 と辺りを見まわしました。  すると、ナジムは、突然うつむき――、 そこへひとりの重臣が割って入り、 「陛下。そのおはなしは城のなかで、」  間髪を入れずに、 「ハンの身に……なにかあったのか?」サムが問うと、 そのことばが終わらぬうちに、あたりからむせび泣く声がもれ、 サムの全身を、 ビリビリと不吉なものが走りぬけました。 「ここではなんで