日常(ふじいとダイオウグソクムシ)
2018年、5月27日。
僕らの3年間の血と汗と涙に満ちた部活動が終わった。
他の奴らは泣いていた。自分はどうだったかなんて忘れてしまった。
2年も前のことだ。時間が経つにつれ記憶が薄れていくのは避けられない。でも、1年間自分なりに務めあげたキャプテンとしての仕事をもう、しなくてもいい。もう、する必要はない。もう、できないんだ。という思いが溢れてきたことだけは朧げに残っている。
2020年5月25日。
大学の課題をそれっぽく書き終え、「おげんさんと(ほぼ)いっしょ」をかじりつくように見て、生理反応のようにパソコンでYahooを見る。
この無意識yahoo開きには自分でも時々嫌気が差す。
「ダイオウグソクムシ、2年ぶり排便」
無意識に開いてよかった。
ダイオウグソクムシについての事前知識はゼロであるため親近感もクソもないが、2年間うんこしないってすごいな。あ、さっきの「クソ」は別にかけたりしてる訳じゃなくて…え、あと、別にうんことか、たくさん言いたい訳じゃなくて…
ダイオウグソクムシ(以下「頭文字D」)がうんこをしたのがちょうど2年前、俺の部活引退と同時に「頭文字D」(以下「イニD」)がスッキリしたとして、そこからの2年間を自分なりに表にまとめてみた。
我ながらクソ…アホみたいな表だ。深夜1時に馬鹿みたい。
自分にとって、この2年は濃い2年間だった。
ただ、あの苦い思い出も、あの喜びも、多くの人が戦っている今の状況も、イニDにとっては、ただの排便〜排便の間の日常と同時並行で起こったことに過ぎない。
僕が「濃い」と感じている2年間は、
誰か(何か)にとってはそこまで意味もない生活の積み重ねで、
そして僕自身も、こんな時系列に並んだ非日常なイベントの間には多くの日常が挟まっている。
まあ、「ダイオウグソクムシって2年間うんこしてなかってんてwww」
という事実を誰かと共有したかっただけやねんけどね。