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旧広島陸軍被服支廠(出汐倉庫)

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旧広島陸軍被服支廠.現在,この歴史的な建造物の扱いに注目が高まっている.

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日本で最古級クラスの鉄筋コンクリート造(実際にはレンガによる組積造との併用)として,また,当時一時的に首都であった広島に造営された軍施設の威容を示すものとして,さらに,被爆建築物として原子爆弾被害の惨状を今に伝えるものとして,これを保存し,過去から未来を考えるために活用しようという動きが広がっている.

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皮肉にも,市民をはじめ保存活用を希望する声が一気に高まったのは,それを管理している県(4棟のうち1棟は国が所有)が2019年の12月に,1棟を残して他を解体する方針を表明してからだった.その声は国内外の反響を呼び,2020年1月末に,県は2020年度の解体工事着手を見送ると発表した.ただ,あくまで解体着手を見送ると決めただけで,保存活用に舵が切られたわけではない.

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いま,あちこちで保存活用をめぐるアイデアや議論が生じつつある.できることなら,それらが連帯し,大きな流れを作ることができればと願う.小さな声を民主的な手続きと技術と英知を集めて然るべき提案をし,この建築を未来に繋げていきたい.

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