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【詩】Piano Man


きっとその夢は叶わない
大きな大きな夢だから
そんな夢があるのなら
こんなところに居てはいけない


誰も彼もがここに集まり
楽しそうに夢を話す
そして歌うんだ


きっと最期はあっけなくても
夢なんて叶わなくても
ここにいる幸せには敵わない


「なあ、俺はこんなところで終わるのかな」
心細さに苛まれる時もある
「その夢を叶えるためにここにいるんだろ」
友人が励まし、そうして今日をやり過ごすんだ


誰も彼もがここに集まり
思い思いの夢を話す
そして歌うんだ


顔見知りが増えた酒場で
貴賤の差は薄らいで
ここにいる幸せに酔いしれる


私は旋律を奏でる
ハーモニカとピアノに
彼らの歌声が重なる



「俺はいつかこの町を出るよ」
若者が夢を抱いて杯を傾ける
「簡単じゃあない。俺も昔はそうだった」
老爺が赤ら顔でしみったれる



誰も彼もがここに集まり
今とかつての夢を話す
そして歌うんだ



今ではない遠いいつかに
途方もない思いを馳せて
ここにいる幸せを噛み締める



なあ、今日のこの時間だけはみんな
夢を語って酔ってくれ
どんな夢だって恥ずかしくはない



私は旋律を奏でる
ハーモニカとピアノに
彼らの歌声が重なる



なあ、明日の朝はみんな
抜け出せない現実に雁字搦めさ
今だけは夢を持ち寄ろう


私は旋律を奏でる
ハーモニカとピアノに
彼らの歌声が重なる



なあ、きっとその夢は叶わない
きっと最期はあっけなくて
貴賤の差には意味がない



どうかこの夜が永遠に続きますように



そう思いながら
私は旋律を奏でる
ハーモニカとピアノに
彼らの歌声が重なる



どうか彼らの夢が永遠に終わりませんように



そう思いながら
私は旋律を奏でる
ハーモニカとピアノに
彼らの歌声が重なる



トニックもジンも空っぽで
安っぽい夢に溺れて
せめて夜が明けるまでは
酒場に曲を届けよう

せがまれて奏でるのは
老人がどこかに置いてきた思い
若者が抱く無意識の思い



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ビリージョエルのPiano Manが大好きです。
酒場に訪れる人々が抱える悩みに、彼の演奏が寄り添ってくれる。

悩みは千差万別で、悩みは一切解決していないけど、彼の曲が客もスタッフもまとめて一つにしてくれる。

現状を打破できずとも、そんな場所があることが素敵だと思わずにはいられない。

この曲を聴くと、僕も彼らの一員として、体を左右に振って歌いたくなる。

ダーダダー ディディダァアー
ダーダダー ディディダァーアァアー♪


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