見出し画像

整体院かよ 地域が育てる古民家の整体院

フリーペーパー「えーる!」第79号では、山口県周南市鹿野地域で整体院を開業した、藤本香世さんを取材しました。

「整体を始めたきっかけは、病気がちな父が、少しでも楽になってほしいと思ってのことでした」と、整体を学んだきっかけを話す藤本さん。

鹿野地域のやや北部寄り、西河内自治会の公民館の隣にある古民家を利用した「整体院かよ」が開業したのは、令和2年のこと。
コロナ禍の中、開業という新たな一歩を踏み出した藤本さんに、その思いをうかがってみました。

お客さんに寄り沿う施術を

古民家の一室を利用した施術部屋。

整体の資格を取得した後、結婚や子育てを経て、身内への施術や、北海道でスープカレーのお店を営んでいるお兄さんの所で店の福利厚生の1つとして整体を行っていたそうです。

「朝起きて体が痛いと、とても辛さを感じるものです。施術を受けた次の日、体が楽になるように、お客さんに寄り添える施術 をしたいと考えています。体の調子が悪いと、気持ちも沈んでしまいますから、施術によってその方の体質を活かし、潜在的魅力を引き出し、人生を豊かにするお手伝いをめ ざしています」施術する上で第一に考えていることを、そう語る藤本さん。

本場の整体は医療行為でもありますが、藤本さんの行う施術は、ヨガの要素を取り入れたもので、体質改善や、女性特有の頭痛や疲労感などの不定愁訴を治すことに主眼を置いています。

ヨガを組み合わせることで、施術後の生活の中でも、自分の体をコントロールできるようになってほしいとの思いからのことだとか。

取材中にも、自律神経を整え、リラックスする効果があるユーカリの香りが漂っていました。
施術だけではなく、アロマオイルを使って感情を整え、体に触れるだけではなくさまざまな方法で心身を整えてくれていることを感じます。

思いを支える地域の力

こうした思いを支えてくれているのは、地域の皆さんの力だと藤本さんは語ります。

「古民家を整体院のために使っても良いと言ってくださったり、お庭をきれいに管理してくださったりしている大家さんや、整体院の看板を作っていただいた地域の方……ずっと、地域に育てていただいているんだな、と感じています」

地域の人が好意で作成してくれた、古民家そばに立つ看板。
整体院の外観。こちらの2階で施術しています。

整体院を開業する場所を探し、いくつかの候補からこの古民家に決めたのは、2階の窓から見える景色や、家の雰囲気を気に入ってのことだったとか。家も、その前に広がる庭も、とても手入れが行き届いた素敵なたたずまいなんですよ。

建物選びの決め手になった、鹿野らしさあふれる景色。
古民家前の庭は、「畦道ガーデン」という名前で里山オープンガーデンにも参加しています。

藤本さんが場所を決めた理由の1つである、窓からの景色が上の写真です。空と山、家々に、畑の様子……まさに、鹿野らしい風景が楽しめる眺めですね!

100年、家を支えてきた梁。

この古民家の中で、特に目を惹くのは、天井にわたる太い梁です。100年もの年月を経たというこの木材は、今なお現役で、しっかりと建物を支えているように感じました。この長い年月や、梁が露出した家のつくりにも鹿野らしさを感じることができます。土壁の様子などもとても趣きがあり、一見の価値がありますよ。

藤本さんが鹿野らしさを感じ、選んだこの古民家の雰囲気も、施術とともに楽しんでほしいな、と思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?