見出し画像

300年を経てなお映える 弾正糸桜は夜も映える

山口県周南市鹿野地域を応援する“まちづくり応援団えーる”ふみぞうです。
今回は、市役所鹿野総合支所のすぐそばに咲くシダレザクラ、弾正糸桜だんじょういとざくらをご紹介します。

300歳を超えるシダレザクラ

戦国時代の武将、陶晴賢すえはるかたの重臣だった江良弾正えらだんじょうの屋敷跡の土塁に植えられたことから、この名前をつけられたシダレザクラは、すでに樹齢300年を超えているといわれています。

いわゆる「桜」としてイメージされるソメイヨシノは寿命が60年ほどというので、シダレザクラはそれに比べればはるかに長命であるといえますね。日本各地にも、数百年、中には1,000年を超えるといわれるシダレザクラが存在しています。

現在、江良弾正居館跡の土塁は切り開かれており、弾正糸桜はその土塁を切った跡に植えられています。

根本は平らな地面ではなく、少し斜めになった場所に植えられているものと思われます。花が垂れる様子はとても美しいのですが、花の枝は支柱によって支えられている状態です。

真下から見ると、さすがの大迫力

夜には違う顔

この弾正糸桜は、昼に訪れても、青空に映えるほのかな色を楽しむことができます。

しかし、この開花期間中、あえて夜に訪れてみると、まったく別の顔を見ることができるんです。

ライトアップされた花、そして幹が、昼間とは違った印象です

期間中、ライトアップされた弾正糸桜。

田舎町の鹿野には、夜にはこれといった強い光源もなく、空を見上げれば真っ暗な夜空が広がっています。

そんな中でライトアップされた桜の姿は、昼間の華やかさとはまた違って見えました。

ライトに照らされて、より色濃く見える花びら。
くっきりと陰影を持った、ねじれた枝と太い幹。

何か、ぞくりとくるような……神秘的、幻想的、というのか。
そんな印象を受ける姿で立つ弾正糸桜。

こうした姿に魅せられてか、取材日には他にも夜桜を見に来られた方、一眼レフカメラを構えてその姿をカメラに収めに来た方。昼間でさえ人通りの少ない鹿野の町に、夜になっても人の姿を見ることができました。

シャッター越しでなく、肉眼で見たい景色

一通りの撮影を終え、カメラを置いて、自分自身の目で、しっかりと夜桜を見てみることにしました。

最近のカメラは解像度も高くなっているとはいえ、肉眼で見る姿ほどに鮮やかな姿を見ることはできないな、と感じます。

高さ約8メートルにもなるこの巨木を、地面から2メートルもない高さから見上げてみました。

今年は上の方に花がきれいに付いているな、とか、
真ん中あたりはもう葉っぱになっていて、花は散ったのかな、とか、
枝垂れた姿とそれを支える支柱が、まるで杖をついた老人のようだ、とか。

そんならちもない考えが浮かんでは消え、少し肌寒い鹿野の夜ながら、なかなか目を離すことができませんでした。

ライトアップされた花のかたまりが、ぐわっと迫ってくるように感じました

目で見て味わった感動を、未だ未熟なカメラ技術では、なかなか伝えきることができず口惜しいです。

今年はもうピークを過ぎ、来週末にはもう花は散っているかな……と知人と話すぐらいの時期になりましたが、もしも間に合えば、この姿をぜひ現地で見てほしいな、と思います。

鹿野には他にもいくつか桜の名所が存在します。
周南市情報観光サイトなども、ぜひ旅のご参考にしてくださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?