マシーンぶくお
自分で好きな
自分で好きなやつ。
自分で良いなあと。
気がつけば、 下の子とふたりで撮った写真が あまりなかったりするわけです、僕。 いけない。 それはいけないと思うわけです。 それでスマホのカメラで、 一緒に写真なんて撮ってみたりします。 ・・・良い出来。 ・・・爽やか親子。 なんて呟いてみたり。 ・・・良い思い出になった。 なんて呟いてみたり。 そんな自信に満ち溢れた写真を見て奥さんが 「あなたの顔がニヤついててむかつく。」 なんて言ったりするんですが、 それは如何なものかと思います。 日本語なら、
朝は挨拶するんです。 挨拶されたりもします。 「おはようございます。」って言われるし、言うんです。 若い人たちからは大きな声で言われます。 「うるさいなあ。」と思うのですが、それは内緒なんです。 50年以上も毎日言われていますので、もうこれ以上言われたら気が狂うと考えました。 気が狂うぜ。 「おはようございます」はもうお腹いっぱいだ。 「みんなで頑張りましょう。」 なんて話を聞くと悲しくなるんです。 「一生懸命やりました。」 なんて報告を聞くと下を向きたくなる
大学生の娘は、どうやら彼氏が出来たらしいのです。 あんなに僕にベタベタしていたのに、 今ではすっかり親離れしたこの頃。 愛の力はなと思ったものです。 全く愛はなと考えたのです。 その代わり中学生の息子がベタベタ。 世の中は上手く出来てるものなのだと、 感心するこの頃。 この世界の仕組みはと思いました。 世界のルールはなと考えたのです。 そんな先日、息子と近場をドライブしていたところ、 路地から自転車に乗った子どもが飛び出してきたのでした。 事故になることはな
犬は猫が好きなはず。 猫は犬のことが好きだろうか。 好きな人とは 少し離れているくらいが丁度良いのです。 好きなんだから、近いほうが良いに決まっているのです。 犬はきっと楽しいはず。 猫はどんな気持ちでしょうか。 娘が幼稚園に入る前の年に、今のところに引っ越してきたのです。 特に何もないところでした。 休みの日にはふたりで散歩に行ったものです。 小さい娘の足で20分くらい。 僕も一緒にフワリと歩いて20分。 コンビニまで歩いたら帰るんです。 途中に造成前
「パパ、僕は反抗期に突入したからそのつもりでね。」 中学生の息子がそんなことを言ったのが去年のこと。 宣言してもらえるなんて、話の分かる反抗期だなと思ったものです。 「うるせーぞ、クソじじい。」 みたいなことはなく。 「勝ってに部屋に入るなよ。」 みたいなこともなく。 彼の部屋で一緒に音楽聞いたり、 休みが一緒の時は出掛けたり。 話の分かる反抗期で助かるなと思ったものです。 それでも今年に入ったくらいからでしょうか。 母親に対しては、少し厳しい言い方をしたり怒った
「公安の犬が。」 そんな台詞を言ったことがないのです。 まあ平和な人生なのだろうと思うのです。 夜景を見ながら「君のほうが綺麗だよ。」も、たぶん言ったことがないし言われたこともないんです。 きっと恥ずかしかったのかもしれないのです。 このように、お馴染みなようで口にしたことない台詞が、世の中にはあると考えたのです。 そんな口にしたことないランキング上位に入るだろう言葉に「一万円入ります。」があります。 これもありません。 そういう仕事をしたことないので仕方ない
僕は若い頃から気がついていました。 人生って頑張らなくて大丈夫。 なんとなく生きているだけで、大抵のことは乗り越えられる。 頑張らないといけないときは嫌でもやるわけなので、普段から「一生懸命にやらないと」なんて思わなくても平気。 僕はそんな感じでしたから。 立派にはなっていないかもしれませんが、生きてる。 時々は楽しいし、まあまあ悲しい。 経験なんて勝手に積み上がる。 そういうこと。 ただ生きてるだけで、いろんな経験するわけです。 それで今日職場の若い人か
つい自分を基準に考えてしまうので、突然びっくりすることがあります。 理解出来ることもあります。 分かりあえないことが毎日あるんです。 「今朝のことなんです。」 昼休みに職場の人が言いました。 「私はバス通勤しているんです。 バスに乗り込んで出発を待っていたら、腰の曲がったおばあさんが来たんです。腰が凄く曲がっていて、まるでブーメランみたいでした。足元も力ない感じで、バスに乗れるのかなと見ていたら、たぶん全くの他人だと思うんですが、すごく太った女性が『大丈夫ですか?』っ
父親は酔うと同じレコードを何度も繰り返し聞く人でした。 当時のヒット曲でしたので、僕たち子どもも喜んで聞いたものです。 ダンシングオールナイトなんて良かったですよ。 学校で、サビのところを後ろに下がりながら歌ったものです。 東京ららばいなんて良かったのです。 少し大人の香りを感じたり。 飛んでイスタンブールで、ジタンはタバコの名前と知りました。 魅せられての優雅さや異邦人のエスニックな香り。 唇よ、熱く君を語れの、どこまでも上がっていくかのような解放感。 最
職場のNさんが言うわけです。 「ぶくおさん、Sさんて物忘れがすごいじゃないですか?この前、聞いてるこちらが鳥肌たつくらいの忘れ方をしたんです。もう私びっくりしちゃって。そこまで忘れたら、病気レベルだと思ったんです。誰かがなんとかしてあげないとダメだとも思ったんです。 それでここからが本題です。 その鳥肌たつくらいの内容を忘れてしまったんですが、私は大丈夫でしょうか?Sさんは、なにを忘れたんでしたっけ?」 これが鳥肌たつくらいの話か。 それでこれが噂の「人の振り見て我が振
今日は職場の人たちが優しかったのです。 お菓子くれたり。 「アイスが食べたい」と言ったら買ってきてくれたり。 「大丈夫ですか?」なんて声かけてくれたり。 心なしかみんなの顔が、いつもより穏やかな感じもしたんです。 仕事はいつでも忙しくて。 世の中はいつだって不安定なんです。 それでもこんな気持ちのふれあいも悪くないと思ったり。 それでさっき自宅で考えました。 よく考えてみたのです。 結論としては、さては死ぬなと思いました。 僕の寿命があまり長くないことを