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月に濡れたふたり。

「公安の犬が。」

そんな台詞を言ったことがないのです。

まあ平和な人生なのだろうと思うのです。


夜景を見ながら「君のほうが綺麗だよ。」も、たぶん言ったことがないし言われたこともないんです。

きっと恥ずかしかったのかもしれないのです。


このように、お馴染みなようで口にしたことない台詞が、世の中にはあると考えたのです。

そんな口にしたことないランキング上位に入るだろう言葉に「一万円入ります。」があります。

これもありません。

そういう仕事をしたことないので仕方ないのです。

今後も言わない気がします。

そんな経験をしないことが、少し勿体ないとも思うのです。

一万円で払うと、いつも僕だけ置いてきぼりな気分なのです。

ああ僕56歳お客さん、一万円で払うとひとりぼっちの世界。


それで「一万円入ります」を言う機会がないとしても、
せめて「一万円入れます」を言えないものかと空を見上げるんです。

「一万円で払います」なら尚更言いやすいか。


僕 「一万円入れまーす、(もしくは一万円で払いまーす)。」

お店の人 「一万円入りまーす」

ほら。

人と人。

心と心。

お店の人との一体感。

現金でのやり取りが少なくなったこの頃、
こんなふれあいあっても良いでしょ?


話の行方がいつもしれないのです。


スポーツ全般に疎いので最近はどうか分からないのですが、昔野球中継を見ていると
「今のは打ったバッターを褒めるべきでしょう。」
なんて言い方を聞いたことがあります。

打ったのだからバッターを褒めましょうよと、
当時も今も思うのです。


子供のころから今日まで、いつもこんなことを考えています。

色々無駄遣いとも思うし、ちょっと勝ちかなとも思うのです。

どちらにしても数年。

あと数年したら、勝ったかどうか分かるのです。

そんな今日の気分。
(少し勝ってる気分)

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