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Baby I Love You。

犬は猫が好きなはず。
猫は犬のことが好きだろうか。

好きな人とは
少し離れているくらいが丁度良いのです。

好きなんだから、近いほうが良いに決まっているのです。

犬はきっと楽しいはず。

猫はどんな気持ちでしょうか。


娘が幼稚園に入る前の年に、今のところに引っ越してきたのです。

特に何もないところでした。

休みの日にはふたりで散歩に行ったものです。

小さい娘の足で20分くらい。

僕も一緒にフワリと歩いて20分。

コンビニまで歩いたら帰るんです。

途中に造成前の空き地があって。

フェンスに囲まれた空き地があって。

中はタンポポでいっぱいでした。

やがてそこは一面、真っ白になったのでした。

数えきれない綿帽子に向かって、
「ふー、ふー」ってふたりでしました。

フェンス越しにふたりで
「ふーー。」って吹いたんです。

綿帽子は何もなかったかのように、ただ風に揺れるのでした。

夢のような景色だったと思うのです。

もしかしたら本当に夢だったのかもと、足元を見るんです。

娘とふたりで、なんだか、なんだかでした。


夏は夏の服が可愛いくて。

冬は寒そうな顔が可愛いくて。


早く大きくならないものかと考えていたことがありました。

無理に大人にならなくても良いのになとも思います。


思い出だけで生きていけるようになりました。

思い出してはニヤリとします。

時々は泣きそうになるのです。


果たして僕は犬だろうかと思いに耽ります。


今となっては、どちらでも良いのです。

犬でも猫でも良いのですよ。

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