僕達の夜明けは昼よりも暑いから。だからきっと大丈夫。

 分かり切っていた。

 そんなこと、本当はとっくに分かり切っていた。

 きっと、彼らも、私達も。分かり切っていた。

 

 いつも連絡はメールなのに、あんなに無機質なメールなのに。こんなときだけ13人で、わざわざ動画を撮ってくれるのが優しさだった。きっとみんな分かっていたけれど。それでもぜんぜん悲しいのに。

 動画の中の彼らは、私達よりもぜんぜん強いみたいで。私達は彼らの為、なんて言い訳もさせて貰えなくて。彼らも、事務所も。その動画の暖かさが優しかった。

 優しくて、暖かくて。どこにも行き場がなかった。好きで好きで、会いたかったのに。好きで好きだから、我慢しないといけなかった。

 「SEVENTEENとCARATの夢」

 その言葉が苦しかった。きっと私達みんな。その言葉をどうしても叶えてあげたかったのに。私達にはどうしようもなかったから。

 トレンドに夢が上がっていくのを、呆然と見ていた。全公演中止、とか。ドーム中止、とか。そんな言葉じゃなくて「SEVENTEENとCARATの夢」が一番最初にトレンドに上がる、そんなCARATがなんだか誇らしかった。

 貴方の笑顔を見るために、どうしても行きたかったけれど。貴方の笑顔を見るためなら、もう少し我慢できそうな気がするよ。

  

いつも私達は、「花道だけを歩いてね」なんて言うけれど。それを願いたいけれど。

 彼らもきっと私達に、花道を見せたいのだと思う。私達に見せるのは、花道だけにしたいのだと思う。

 だからこそ言いたい。

 「君へと向かう道は花道になる」と。

 お願いだから、私達に花道を見せようとしないでほしい。彼らがいるだけで、そこは十分花道なのだから。

 このライブを悲しい思い出になんて絶対してやらない、と強く思う。こんな出来事は、きっと将来の夢の叶え方の一ページにしてやる。悲しい思い出なんかじゃなくて、これはきっと伝説のライブだ。

 そう言いたい。

 

 だけど。

 叶えてあげたかった。見せてあげたかった。13人で、13人と私達で、見てみたかった。泣きたくなるほどに。好きで好きで、堪らないから。私のエゴだけど、見たかった。

 彼らが掲げ続けてきた夢が、あまりに大きかったから。私達は約束してあげられない。「収まったらちゃんと見せてあげるね」と、言いたいのに。大きすぎて。彼らが望んだ夢はそのぐらい大きかったから。

 

 今日は泣きそうだよ。

 だけど、

 「君と巡り会えてとっても嬉しいよ」。

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