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恋の残り香vol.1 : 寂しいのは寒いせいにして

さむいとさ、さみしくなるね
雪すら降らない
キンと冷えた夜に
吐いた息の白さを見ていた

冬はさ、星がよく見えるね
歩いた夜道
深夜のコンビニ
今となってはさ、もう分からないんだよ

何が嘘だったかなんて、
もう考えないようにするよ
貴方が優しかったことなんて、
もう知らなかったことにするよ

さむいからさ、さみしいみたいだよ
泣きそうになってしまうのも
些細なことで連絡してしまうのも
きっと寒いからだねって

ずっとがあると思っていたんだ
昨日も今日も幸せなら
きっと明日も幸せになれるって
祈っていたんだ

欲しいものなんてなにもなかった
プレゼントなんて
サプライズなんて
求めていることなんてなにもなかった

楽しかったことを教え合って
悲しかったことを慰め合って
つまらないことを積み重ねていって
そうやって過ごしていきたかったんだ

そんなに難しいことだったんだろうか

楽しいことを教えるのも
悲しかったことを慰めてくれるのも
全部貴方がよかったのに

私ばっかり幸せで
私ばっかりもらっていたみたい

もっと貴方のことを教えてほしかった
もっと貴方のリズムで生きていきたかった
嫌なことも面倒なことも
全部飲み込んで生きていけるって
そう思ってたんだけどな

こんなにズルい振られ方をしたのにさ、
一番慰めてほしいのが貴方なんだ
それが一番情けなくて
もどかしくて
泣けてきちゃうみたい

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